マンションの杭は長い方がいい…は真実なの?

横浜市のマンションで基礎杭に不具合が発覚したことに伴い、さまざまな立場の方々の解説を耳にする機会が多くありました。その中で「マンションなら杭が打ち込んであるのが普通」「杭は長く、しっかりと地盤に打ち込んである方がよい」というニュアンスで話をしている人がいます。

「杭が長い方がいい」は本当か

マンションならどんな物件でも杭が必要なのでしょうか。そして、建物を支える杭は、本当に「長いほうがいい」のでしょうか。

確かに長いほうが、支持地盤までしっかり刺さっていて安心な感じがするかもしれません。高層マンションやタワーマンションであればなおさら、地上高くそびえたつマンションを支えるために地中には長い杭が必要な気がする…かもしれません。

「長い杭」が必要な理由を考えよう

一般的に、建物を支える支持地盤が地表近くにある地盤が「よい地盤」とされています。支持地盤が地表近くにあれば、その上に直接基礎をのせて建物を支えることができます。もし、そうではなく、支持地盤が地中深いところにあると「長い杭」を使う必要が出てきます。

高層マンションでもタワーマンションでも、よい地盤に建つマンションなら「杭はいらない」のです。戸建て住宅のように、杭を用いず硬い地盤の上に直接基礎をのっけているマンションもいくつもあります。

そんなマンションでも地震や風でスポッと足元から倒れてしまうなんてことはありませんから、安心してくださいね。

都会のマンションの基礎はどうなっている?

東京や大阪、名古屋などの日本の大都市は沖積層(ちゅうせきそう)という比較的軟弱な地盤の上に広がっており、そこに建つマンションの多くは支持地盤まで長い杭を打って安全性を保っています。長い杭を打っているからといって心配しすぎることもないでしょう。大切なことは、基礎や杭とその上の建物がしっかりとつながっていることです。

私も仕事がら新築分譲マンションのモデルルームを訪問する機会があります。モデルルームにはマンションの模型や配置計画、周辺環境、設備などを説明するパネルが用意されていますが、その中には建物の基礎や構造を説明するパネルもあります。私もそこは必ずチェックします。

都市部の立地でも直接基礎で杭ナシの物件もあり「いい地盤の上に建っているのね。恵まれているなぁ。」と思います。そんなマンションは、私の中ではかなりポイントが高く、人にもおススメしたくなります。


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