新年発刊予定のムック「マンション管理の基礎知識」の取材を受けました!

東洋経済新報社から発行予定のムック「マンション管理の基礎知識(仮題)」の編集者から先日取材を受けました。

 

2年前も同様の取材を受け、当社名の掲載をしてもらいましたが、当時の版元はダイヤモンド社でした。(下の画像は、2017年版)

 

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今回は、版元が東洋経済新報社に変わったとのこと。

 

本誌は、マンション管理組合を対象に組合業務の基本情報を提供する内容となっており、「マンション管理のコスト」をテーマにした章を設ける予定のため、その専門家として90分ほどインタビューを受けました。

 

その際のやり取りを一部ご紹介しましょう。

 

【質 問】

最近の事例で管理組合の収支の影響のある項目はどんなものがあるか?

 

【回 答】

駐車場の空き区画が増加しており、それが組合の収入減になっている。機械式設備の場合には空きが増えても保守点検費は変わらないため、組合の収支が逼迫し、ひどい場合には管理費を値上げする必要も出てくるかもしれない。

 

【質 問】

修繕積立金が足らなくなる管理組合が多いのなぜか?

 

【回 答】

そもそも竣工当時に設定される修繕積立金の金額が低すぎるのが最大の原因で、それは管理組合の責任ではない。

 

将来増額の必要がないよう均等に積み立てるのに必要な金額に対して現状は半分以下にとどまっているのが一般的。

 

修繕積立金の将来増額リスクをなるべく抑制するには、なるべく早い段階で割高な管理委託費を含め維持管理費全体を見直して適正化することが大切。

 

【質 問】

管理組合が自力で管理委託費を削減するのは可能か?

 

【回 答】

コンサルタントになる前に私自身も経験しており、もちろん可能だ。

ただし、その場合には以下のように留意すべき点がある。

1)管理組合には管理委託費の「相場観」がないので、金額の妥当性を知るには他社から相見積もりを取らざるを得ない。しかし、管理会社の変更までを検討する組合は少ない。

2)管理会社と交渉してもその「弱み」につけこまれ、わずかな減額提示にとどまったり、仕様変更(清掃や点検頻度のカット)によるコストダウンでごまかされやすい。その場合、コストは高いままで品質が悪化してしまうリスクもある。

 

管理委託費を適正な水準に見直すには、管理員、清掃、設備管理、事務管理といった業務別に費用を精査するとともに、これらの仕様も過剰な部分がないかチェックすることが大切。

 

【質 問】

管理委託費以外に見直すべきコスト項目はあるか?電気料金も下げられると聞いている。

 

【回 答】

管理委託費のほかに、共用部の電気料金とマンション保険料を合わせると、管理組合のて経常支出のおよそ7割を占めている。

 

これら主要3費目を見直すことで組合収支が改善し、毎年の剰余金が増えるので、修繕積立金会計における将来不足分を補填すればよい。

 

電気代の見直しについては、照明のLED化と電子ブレーカーの導入が今でも有効なツール。築20年を超えるのに、いまだにLED化していないマンションも少なくない。なお、電子ブレーカーは高圧受電している大規模マンションには適用できない。

 

大規模マンションは、高圧一括受電という有効なツールがあったが、2年前の電力小売りの全面自由化で各住戸が自由に電力会社を選べるようになったため、全戸同意を取り付けるのが極めて困難になった。また、新電力でも若干ながらコスト削減ができるので、相対的に一括受電の魅力も下がってしまった。

 

マンション保険については、築年数とともに漏水事故が増加するため、それにしたがって保険料も上昇するのが一般的であった。しかしながら、3年ほど前に日新火災が「マンションドクター火災保険」という商品を出してから大きく風向きが変わった

 

この保険の場合、管理組合の運営状況、設備保守点検や大規模修繕等の実施状況が良好と判断されれば、高経年マンションでも保険料の大幅な割引きが受けられる

 

管理組合においては管理会社が保険代理店を兼ねていることがもっぱらだが、マンション管理士がその診断に関わることから、日新火災の代理店登録をしていないことも少なくない。

 

・・・・といった感じです。

 

本誌は、来年2月に発行予定とのことでした。

 


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村上 智史

村上 智史

株式会社マンション管理見直し本舗代表取締役・All About マンション管理士ガイド。早稲田大学卒業後、三井不動産に入社。土地オーナーとの共同事業、ビル賃貸事業、Jリート(不動産投資信託)の立ち上げに従事した後2013年3月退職。2013年5月 『あなたの資産を守る!マンション管理見直しの極意』(自由国民社刊)を上梓。無関心な住人の多いマンション管理組合が潜在的に抱えるリスクを解消し、長期にわたって資産価値を維持できるソリューションを提供することで、「豊かなマンションライフ」の実現を目指しています。

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