マンション管理費の長期滞納問題、知っておくべき解決方法と事前の対策
2024/07/05
中古マンションを不動産会社の仲介によって売買するときの基本的な流れは、まず初めに売主がどこかの不動産会社へ売却を依頼し、その物件情報を不動産会社間で公開・共有します。それを見た別の不動産会社が顧客に紹介することで、買主となる人を見つけるのです。
この場合、売主から売却の依頼を受けた不動産会社を「元付業者」、買主を探す不動産会社を「客付業者」などと呼びますが、物件によってその立場が入れ替わることもあります。
それを踏まえたうえで、買主の立場から見たときの「不動産会社選びの注意点」について考えてみましょう。
最近はインターネットの大手物件検索サイトで中古マンションの情報を探すことも多いでしょうが、そこに掲載している不動産会社の多くは元付業者です。その中古マンションに関する問い合わせをして売買契約に至れば、「元付業者が客付業者を兼ねる」ことになるのです。
その場合でも、物件に何ら問題がなく、売買契約上のトラブルなども起きなければ、買主が特段の不利益を被ることはありません。
ところが、いざ売主との間で何らかの争いが生じたとき、売主と買主の調整にあたるのは1社だけです。その元付業者は買主よりも売主との付き合いのほうが長く、公正中立が建前だとはいえ、売主寄りの立場をとりがちです。また、売主との関係を維持しておけば、その契約がダメになっても次の収益機会が得られるのです。
そのため買主の味方となる者がいなくなり、買主が不利な立場に追い込まれたトラブル事例も少なくありません。もちろん数の割合で考えれば、とくに問題なく契約が進むケースのほうが多いのですが……。
また、何らかの問題を抱えた中古マンションでも、売主から売却の依頼を受けた元付業者はさまざまな手段を駆使して「その物件を売ってしまうこと」が仕事です。「問題があるからこの物件の購入はやめるべき」などといった買主へのアドバイスはしないでしょう。
そのような事情もよく理解したうえで、物件見学の際にはしっかりとチェックしたり説明を聞いたりする、断るときにはきちんと断るなど毅然とした態度をとる、という心構えを持つことも欠かせません。
中古マンションの情報は広く不動産会社間で共有されているため、大半の物件はどの不動産会社からでも紹介してもらうことができます。
そこで、これから購入候補となる中古マンションを探していこうとするときには、物件よりも前に信頼できそうな担当者を見つけることがオススメです。「信頼できる担当者」をどのように探すのかといった問題もありますが、不動産会社をいくつか訪れたり電話をしたりして、まずは何人かと話をしてみるところから始めましょう。
客付業者であれば「ダメな物件はダメ」としっかり取捨選択してくれる可能性が高く、特定の物件を無理に勧めてくることもありません。契約後に売主との間で何らかの争いが起きても、客付業者は買主側の立場で交渉にあたってくれるはずです。
どの不動産会社が仲介をしても手数料が必要なことに変わりはありませんから、しっかりと自分のために働いてくれる相手を選びたいものです。ただし、物件探しを頼んだ不動産会社が、売主から直接依頼を受けた他の物件を強く勧めてくることもありますが……。
また、広いエリアで物件を探すときには、物件探しを頼んだ不動産会社がその地域のことに精通していないこともあるでしょう。物件情報は不動産会社間で共有できても、街の情報は地元の不動産会社でなければなかなか分からないのです。エリアを分けて、複数の不動産会社に物件紹介を頼んでも差し支えありません。
売主から売却の依頼を受けた元付業者の物件は、どの不動産会社でも「客付」をできることが原則です。ところが、元付業者が物件情報を適切に公開しなかったり、公開をしても他の不動産会社による顧客への紹介行為を故意に妨げたりすることがあります。
これがいわゆる「囲い込み」行為であり、元付業者が自ら買主も見つけ、売主と買主の双方から仲介手数料を得ようとするものです。
売主にとって売却機会を失いかねない不適切な行為であり、業界内でも大きな問題となったことから、それを未然に防ぐための措置も講じられました。そのため、以前に比べれば囲い込みは減ってきたようですが、まだなくなったわけではありません。
物件の囲い込み行為自体が、直接的に買主へ不利益を及ぼすことはなく、買いたい物件がその対象になっていれば、そのまま元付業者へ問い合わせをしても構いません。ただし、前述したように元付業者が窓口となることで、何らかの問題が生じたときに一定のリスクがあることは理解しておきましょう。
また、業界内のルールを守らずに「囲い込み」をする不動産会社が、はたしてそれ以外の部分で適切な仲介行為をするのかどうかについては十分に注意しなければなりません。
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