マンションの屋上防水改修工事に「25年」の長期保証が付帯する理由
2024/12/06
の1年で当社に相談をいただいたマンションにはひとつの共通点があります。
それは、管理会社が大手のD社ということです。
相談する管理組合側の不満要素で目立つのは、
・修繕費の見積もりが高い。
・フロント担当者の対応が悪い(レスポンスが少ない・対応が遅いか、しない)
の2点です。
当社の顧問先にもD社が管理受託しているマンションがいくつかありますが、
たしかにご指摘の通りだと思います。
そのほかに私が感じているところでは、
1)月次会計報告書が非常に見づらい。
電算システム時代の頃のままの古い書式で、管理費会計の収支表が1枚で収まりきらず、複数枚に及んでいます。
また文字数の制限もあり、相手先の名称が途中で切れてしまうこともあります。
2)管理会社が作成する総会議案書が所定の書式に決まっているうえ、しかも最低限の記載しかないため、経緯や検討経過の記載がほとんどない。
こういう不満についてフロント担当者に改善するよう申し入れても、
「会社のルール」を盾に真摯に対処しようという姿勢が見られません。
このD社の管理するマンションで、今夏通常総会が開催された際の出来事です。
当社がこれから顧問に就任する議案が上程された総会でもあり、
事前に議案書の作成に私は関与していませんでした。
その議案書には、年1回の法定義務である年度会計報告の議案も含まれているのですが、なんと監事の署名・捺印した「監査報告書」が抜け落ちていました。
理事長がその理由をフロントに問いただしたところ、
監事は事前に署名捺印した報告書を管理会社宛に郵送していたのですが、社内でそれが一時行方不明になったため議案書の 発送に間に合わなかったとの説明がなされました。
理事長 :「監事の署名済みの監査報告書は、今は手元にあるのですか?」
管理会社:「あります」
理事長 :「それなら、なぜそれを今配布しないのですか?」
その後、ようやく監査報告書のコピーが出席者に配布された・・という騒動を目撃しました。
もちろん、組合側の出席者全員が呆れていました。
本件はもともと管理会社の不手際によるものですが、後日入手した監査報告書を追加で送付しなかったため、いわば「恥の上塗り」となってしまったわけです。
マンション管理会社の役割は、
管理組合に「安心」と「安全」を提供することがミッションだと思いますが、
この体たらくでは組合役員も枕を高くして寝られないでしょう。
D社に限りませんが、フロント担当者に日常業務を任せっきりで
上席スタッフによるバックアップ体制が見えないことも「管理会社あるある」です。
これは大手とか中堅といった会社の規模とはほぼ関係がありません。
内部管理体制のレベルの問題です。
担当者の失念や単純ミスなどを見つけてそれを指摘するのが管理会社ではなく、
管理組合しかない、というのが残念ながら実態なのです。
だから、組合財産の着服事件も一向になくならないのだと思います。
<参考記事>
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