マンション修繕積立金の増額幅を大幅に圧縮できたワケ
2025/01/06
私の顧問先に、10戸未満の小規模マンション(築38年)があります。
この管理組合では、2年前から管理委託費やマンション保険の適正化に取り組んだ結果、管理費会計に年間100万円近い剰余金が生じるまでに財政状況が改善し、当面の間は、修繕積立金の増額改定の必要がなくなりました。
一方、電気料金については、年間30万円に届かないレベル(27万円)のため、新電力に切り替えても1割程度(=3万円弱)くらいの削減効果しか出ないだろうな・・と思っていました。
ところが、です。
今回、あらためて検討した結果、想像以上に大きなコスト削減が可能なことが分かったのです。
以下で、その種明かしをしましょう。
このブログでもすでに何回もご案内していますが、低圧受電のマンションに電子ブレーカーを設置する方法です。
<電子ブレーカーのしくみ並びに電気料金を削減できる理由については、下記記事をご参照ください。>
このマンションでは、エレベーター(1基)と給水ポンプしか動力系の電気設備がないものの、電気料金(基本料金)を年間5万円下げられることが分かりました。
電子ブレーカーの導入費用は30万円ほどなので、その費用の回収に6年かかる計算になります。
メーカーの製品保証が10年あるため、組合が損するリスクこそないものの、この程度だとインパクトとして正直微妙なレベルです。
そこで、(1)に加えて受電先の変更も検討してみました。
このマンションの場合、すでに現在管理会社と同じ企業グループの新電力会社と契約しています。
ところが、今回見積もりを取得した結果、他の新電力に再度変更することでさらに年間2万円強の削減ができることがわかりました。
(1)と(2)の効果を合算すると、年間7万円強の削減効果となります。
受電先を変更するのに初期費用は掛からないため、上記の「合わせ技」によって電子ブレーカーの導入費用(30万円強)を4.5年で回収することができるわけです。
理事会でこの電子ブレーカーと新電力の「合わせ技」プランをご紹介したところ、全会一致で承認が得られました。
なお、昨今新電力についてはLNG(液化天然ガス)の高騰や寒波の影響で仕入れコストが上昇し、経営が苦しくなっているとの情報も耳にしています。
ただ、今回ご紹介した新電力会社に確認したところ、この会社では自ら発電所を所有しているため、原価上昇の影響ををそれほど受けずに済んでおり、新規の営業にも積極的なスタンスを維持できているとのことでした。
まだ見直したことのない管理組合さんはぜひ一度ご検討ください。
<参考記事>
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