マンション管理費の長期滞納問題、知っておくべき解決方法と事前の対策
2024/07/05
6月22日付で、国交省が改正版「マンション標準管理規約」を公表しました。
今回の改正のポイントは以下の2つです。
(1)新型コロナウィルス感染症の感染拡大等の社会情勢の変化への対応
(2)マンション管理適正化法及びマンション建替え円滑化法の改正への対応
国交省がリリースした「マンション標準管理規約の改正について(概要)」と題した資料によると、具体的な変更点は以下のように要約できます。
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■ 「オンライン総会」が実施可能なことを明記するとともに、留意事項等も記載。
(1)利用するWEB 会議システム等に関する定義を追加。
「電気通信回線を介して、即時性及び双方向性を備えた映像及び音声の通信を行うことができる会議システム等」
(2)理事長による前会計年度における組合業務の執行に関する事務報告も可能とコメント。(ただし、各組合員からの質疑への応答等に対応する必要があることに留意が必要。)
(3)WEB 会議システム等にアクセスする方法を以下の要領で通知する。
・開催方法は、当該システム等にアクセスするための URL の通知が考えられる。
・区分所有者への「なりすまし」防止対策として、出席予定の組合員に対しては個別に ID及びパスワードを送付することが考えられる。
(4)「オンライン総会」における議決権行使は、総会会場において議決権を行使する場合と同様に取り扱う。
ただし、第三者による組合員への「なりすまし」や、大規模な障害等による通信手段の不具合が発生した場合等は、総会決議が無効になるおそれがある点に留意が必要。
■ 感染症の感染拡大のおそれが高いと認められた場合、共用施設の使用停止等を使用細則で定めることが可能なことをコメント。
■ 感染症の感染拡大の防止等への対応として、やむを得ない場合においては総会の延期が可能とコメント。
■ 原則としては専用使用部分でない共用部に物品を置くことは禁止だが、ウィルス感染防止対策などのために「置き配」を認める際には使用細則で定めることができることをコメント。
■ 共用部分と専有部分の配管を一体的に工事する場合に、修繕積立金から工事費を拠出するときの取扱いを以下の通り記載。
(1)配管の取替え費用のうち専有部分に係るものは、各区分所有者が実費に応じて負担すべきだが、共用部分と併せて専有部分の取替えも行う方が費用が軽減される場合には、一体的に工事を行うこともある。
(2)その場合は、あらかじめ長期修繕計画において専有部分の配管の取替えについても記載するとともに、その工事費を修繕積立金から拠出することについて規約に規定する。
(3)また、先行して専有部配管の取替え工事を行った区分所有者への補償の有無等についても十分留意が必要。
(1)「長期修繕計画の作成または変更に関する業務」のコメントの変更(組合業務)
「計画期間が25年程度以上(新築の場合30年以上)であること。」から「計画期間が30年以上で、かつ大規模修繕工事が2回含まれる期間以上とすること」に変更
(2)理事長、副理事長等の役職に関する「解任」の追加(理事会の職務)
理事の互選で選任された理事長、副理事長等の役職は、理事の過半数の一致によりその職を解くことができる。(ただし、その理事としての地位自体は総会決議を経なければ解くことができない。)
<参考記事>
(3)役員の欠格条項変更
従来の「成年被後見人若しくは被保佐人」から「精神の機能の障害により役員の職務を適正に執行するに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者」に変更。
(4)総会の議決事項の追加
「管理計画の認定の申請」及び(マンション建替え等円滑化法にもとづく)「要除却認定の申請」を追加
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なお、国交省の説明資料によると、
オンライン総会(理事会)の開催が可能なことを明確化する観点で今回標準規約の改正を行ったため、各マンション管理組合の管理規約を変更しなくても「オンライン総会」等の開催は可能と説明しています。
ただ、区分所有者の中には、パソコンやネット接続ツール等の必要機器を所持していない あるいはそれらの機器の操作ができない方がいる可能性も少なくないと思います。
そのような場合は、いきなりオンライン方式だけで開催すると区分所有者からの不平不満が生じる恐れがあるので、「集会(リアル)とオンラインの併用型」での開催を検討する必要があるでしょう。(下図参照)
<参考記事>
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