マンション管理組合も、管理会社も大変な時代になってきた!?

不動産投資新聞の「楽待」に「【実践大家コラム】理事長を務めるマンションのリプレイスが決議された件」と題した記事が掲載されていました。

 

www.rakumachi.jp

本記事の要約は以下の通りです。

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◾️管理会社から管理委託費の値上げの申し入れがあった。理由は、大手管理会社に吸収されたことに伴い、親会社基準の金額に改定するとの説明であった。

◾️増額幅約30%アップで年額約100万円弱。とても受入れらるものではなかった。しかし、管理会社の責任者とも直接交渉したが、受け入れられず。

◾️そのため、他社から見積もりを取ると宣言し、リプレイスの検討を開始した。

◾️計8社に問い合わせた結果が、以下のとおり。物件規模も小さくワンルームのため、大手管理会社には相手にしてもらえなかった。依頼先を中堅以下にシフトしながら、最終的に今より安い金額を提示してきたのが2社。

・H社:見積もりが高いため、没
・N社:見積もりが高いため、没
・M社:辞退(過去にリプレイスした会社)
・D社:辞退(現状より安い見積りは出せない)
・G社:見積もりが高いため、没
・DA社:見積もりが高いため、没

・U社:見積り提出(若干下がる金額)
・G社:見積り提出(若干下がる金額)

◾️見積もりを出してもらった後はとにかく結論を急かされて困った。(半年ほど間隔があいたために「前回の金額では受託できません」と断れられたこともあり)

◾️その後、新たな委託先を内定し、臨時総会を開催したが、反対は約7%にとどまり、総会はスムーズに事が運んだ。

◾️大変だったのは安い見積もりを取ることとと、理事としてのモチベーションを保つことだった。

◾️安い見積もりを取るために中小管理会社のターゲットを変更したため、業務品質の質の低下が懸念される。ただ、質の低下があれば見られれば、理事会が是正を申し入れればよい。

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「今の管理組合のリアル」を実感できる記事ですね。

現在、私も管理会社の撤退という自体に直面した都内のマンションで、リプレイスのサポートをしています。

 

築20年目、ファミリータイプで約70戸程度の規模で、管理や修繕の状況はまったく問題ありません。

にもかかわらず、今回5社に見積もりを打診したところ、2社が辞退しました。

理由は、両社とも「現場の人員が足りないので、受けられない状況」のためでした。

また、人件費・物価の上昇に加えて、昨今は管理業界も人手不足の影響が出ており、「受けたくても受けられない」状況に陥っているようです。

競争原理が働かなければ、金額は思うように下がらなくなります。

ということは、今は管理会社が有利なのでしょうか?

 

どちらかと言えば「売り手市場」かもしれませんが、「物価高と人手不足に直面している売り手も状況は厳しい」のが実情です。

(そもそも管理会社の更新辞退もこうした事情が背景にあります)

インフレと景気後退が同時に進む「スタグフレーション」の予兆を感じます。

<参考記事>

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

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村上 智史

村上 智史

株式会社マンション管理見直し本舗代表取締役・All About マンション管理士ガイド。早稲田大学卒業後、三井不動産に入社。土地オーナーとの共同事業、ビル賃貸事業、Jリート(不動産投資信託)の立ち上げに従事した後2013年3月退職。2013年5月 『あなたの資産を守る!マンション管理見直しの極意』(自由国民社刊)を上梓。無関心な住人の多いマンション管理組合が潜在的に抱えるリスクを解消し、長期にわたって資産価値を維持できるソリューションを提供することで、「豊かなマンションライフ」の実現を目指しています。

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