マンション修繕積立金の増額幅を大幅に圧縮できたワケ
2025/01/06
顧問先のマンションで、1階住戸の居住者から以下のような相談がありました。
専用庭の芝が伸びて見栄えが悪いので芝刈りしたいのですが、自分でするものでしょうか。たしか専用庭は共用部だったと思うので、管理組合にお願いできるならお願いしたいのですが・・。
ご承知のとおり、マンションには専有部分と共用部分があります。
エントランスや廊下・階段、エレベーター、駐車場が共用部分であるのは、すぐに理解いただけるでしょう。
一方で、専有部分と思われがちですが、実は共用部分の一部という場所も意外に少なくありません。
たとえば、各部屋に附属するバルコニー、窓サッシや網戸、玄関ドアの外側部分(扉の内側と鍵穴は専有部になります)、そして上の質問でも挙がった専用庭です。
このような共用部分は、各部屋の区分所有者が占有的に利用できないと生活に不都合が生じるため、共用部分ではあるものの、各区分所有者に「専用使用権」が与えられています。
また、専用使用権のある共用部分の利用や管理について、
マンションの管理規約や使用細則には、「通常の利用や管理に関する責任は、専用使用権者が負う」と定められているのが一般的です。
専用使用権者とは、すなわち当該住戸の区分所有者です。
そして、問題は「通常の利用や管理」の範囲がどこまで含んでいるのかです。
一般的には、
日常の掃き拭きといった清掃のほか、専用庭の場合には水やりや雑草の除去、芝生がある場合には芝刈り作業も含むものと考えられます。
したがって、水やりや芝刈りを怠ったがために植栽が枯れてしまった場合には、管理組合から原状復旧の請求がなされる可能性もあるので注意が必要です。
逆に、日照不足や土壌の問題などの不可抗力が原因で枯れてしまった場合には、管理組合に植替えなどを要請することができます。
なお、専用庭の利用に際しては「使用料」が課されることも多いので、中には「除草や芝刈り作業は管理組合の負担で実施すべきではないか」と主張される方もいらっしゃいます。
ただ、この利用料は「当該スペースを占有できる権利や効用に対する課金」であって
維持管理のための手数料ではありません。
基本的な考え方は、以上のとおりです。
管理規約や使用細則の内容は管理組合によって多少異なるので、ご自身のマンションについては個別にそれらの内容を確認してみてください。
<参考記事>
Copyright © ilodolist All rights reserved.