【マンション保険の見直し】保険金を1億円増やしても今の保険料を維持できたワケ

先日、顧問先のマンションで通常総会が開催され、1年後に満期を迎える現在のマンション保険を中途解約して、新たな保険に入り直すための議案が承認されました。

 

と言うのも、昨年このマンションの顧問になった際に、現状の契約を保険代理店にチェックしてもらったところ、以下のとおり2つのリスクを抱えていることがわかったからです。

(1) 適正な保険金額は建物評価額(共用部)の5~6割程度とされているところ、現状では建物評価額に対して2割の付保率にとどまっており、甚大な被害に遭った際に十分な補償が受けられないリスクがある。

 

(2) 地域ハザートマップによると、当マンションの立地するエリアは高潮( 3m 以上)、洪水(50cm~3m)による浸水リスク、ならびに地震等に伴う液状化のリスク(中程度)があるにもかかわらず、水害の補償が付保されていない

そこで、以下の2点について見直すプランが提案されました。

1)主補償である火災保険の最大保険金を約1億円増やすこと

2)ハザードマップのリスク状況を踏まえ、水害補償を追加すること。

 

ただ、この2点を反映させつつ他の条件を維持した場合、最も有利な損保会社でも保険料の負担が増えてしまうことがわかりました。

 

そこで、保険代理店から

「保険会社の免責額を増やすことで保険料を抑制してはどうか」

という提案を受けました。

 

「免責金額」とは、事故の発生に伴い加入者から保険金の支払い請求を受けた際、保険会社が支払いを免れる金額のことです。

 

言い換えれば、管理組合自らが負担すべき損失額ということになります。

 

現在の契約では、保険会社の免責は、1事故につき1万円と最低額の設定になっていますから、10万円の損害事故が発生しても差し引き9万円の保険金が支払われます。

 

この免責額を増やすと、保険金の支払いに関する保険会社のリスクが低減するため、引受け保険料も下がることになります。

 

このマンションの場合は、免責金額を「一律10万円」に引き上げることで、現状の保険料とほとんど変わらない負担に抑えることができました。

 

なお、事故に伴う損害が発生した場合には、保険会社から一種の見舞金として「臨時費用」が損害額の10%相当支払われます。

 

したがって、たとえば100万円の損害事故が発生した場合、

・保険会社の免責分 :▲10万円

・臨時費用の追加支給:+10万円

となるため、差引き損害額と同じ100万円の保険金が支払われます。

<ただし、個人賠償、施設賠償については臨時費用は適用されません。>

 

そのため、管理組合にとっては意外と実損は少ないとも言えます。

 

また、今後はマンション保険も過去の事故件数の多寡によって次回の引受条件が大きく変わっていく傾向が一段と強くなるものと思われます。

 

現在の保険料が変わらないからと言って、10万円以下の少額の損害事故でも保険金を都度請求していくと、5年後の契約更改の際に大幅に保険料が上昇することになります。

 

その意味でも、免責金額の増額設定は少額保険金の請求の抑制につながるため有効な見直し方法の一つだと思います。

 

また、契約更改の際には、

・地域ハザードマップを確認して必要な補償がしっかり付保されているか?

・逆に無駄な補償が付いていないか?

・保険金額は十分か?

と言った観点で、(管理会社以外の)保険代理店やマンション管理士など専門家に診断してもらうことをお勧めします。

 

<参考記事>

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

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村上 智史

村上 智史

株式会社マンション管理見直し本舗代表取締役・All About マンション管理士ガイド。早稲田大学卒業後、三井不動産に入社。土地オーナーとの共同事業、ビル賃貸事業、Jリート(不動産投資信託)の立ち上げに従事した後2013年3月退職。2013年5月 『あなたの資産を守る!マンション管理見直しの極意』(自由国民社刊)を上梓。無関心な住人の多いマンション管理組合が潜在的に抱えるリスクを解消し、長期にわたって資産価値を維持できるソリューションを提供することで、「豊かなマンションライフ」の実現を目指しています。

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