マンション管理組合に管理会社のリプレイスを勧めたワケ
2025/02/10

今夏に顧問契約を締結した都内のマンション(築39年目)で、先日臨時総会を開催し、管理会社のリプレイス(変更)が承認されました。
このマンションでは、旧財閥系の管理会社に委託していますが、通常総会の直前になって、契約更新を迎える12月以降の業務委託費の増額改定の提示がありました。
ただ、これまで過去2期連続で委託費の増額改定が行われており、今回の増額を受け入れると3年連続となるうえ、3年前に比べて3割超のコストアップになってしまいます。
他の顧問先でも管理員や清掃員の人件費の上昇で増額改定している事例は珍しくありませんが、「3年連続」は聞いたことがありません。
このマンションは都内でも有数の高級住宅街にあり、経済的に余裕のある区分所有者で構成されていることから、どうも「御しやすい客先」と思われているようです。
そのため、適正な金額水準を確認するため、同社との契約更新は一旦保留とし、現行条件のままで3ヶ月間の暫定契約を締結することにしました。

暫定契約の期間が短いため、その後急いで複数の同業他社から相見積もりを取得し、顧問先で十分な実績がある独立系の管理会社に変更する方針としました。
一方、清掃や消防・エレベーター等の設備点検業務は、相見積もり条件を比較した結果、新たな管理会社の同意のもとで委託対象から除外し、各メンテナンス業者との直接契約に変更しました。
(現管理会社は、全部委託でないと継続不可の意向でした。)
その結果、現管理会社の新条件に対し、年間100万円超の負担減になりました。
ちなみに、現行条件比でも年間60万円弱の減額となり、理事長さんからも非常に感謝されました。
人件費や諸物価等の上昇に伴い、管理会社が増額を要請する事情は理解しています。
ただ、それ以前の委託費の中には割高な項目が隠れていることも少なくありません。
つまり、もともと割高な項目は「キープ」しつつ、管理会社として採算が悪化した項目を値上げして管理組合に転嫁するわけです。
しかも、毎年のように委託費の増額を要請するのは、その顧客を「舐めている」か、「プロとしての先見性に欠ける」のどちらかと思わざるを得ません。
<参考記事>
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