管理組合の役員を引き受けるのは、「自分の大切の資産を守る」ため!

7月14日付けの「アエラ・デジタル」に、「まるで罰ゲーム…」 マンション管理組合の役員になった50代女性 痛感する高齢者との世代間ギャップ」と題した記事が掲載されていました。

dot.asahi.com

本記事の要約は以下の通りです。

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◾️ 都内の築約40年のマンション管理組合で役員をしている女性(58)は、6年ほど前に役員になってほしいとの打診を引き受けて以来毎年再任され、今年で6年目を迎える。

◾️ マンションの資産価値が下がるのが不安だから役員を続けているが、本音は辞めたいと話す。その理由は、理事会内の世代間ギャップだ。この組合では、役員6人のうち4人が70代の高齢者が中心を占める。

◾️ 理事会は基本的に月1回の頻度で開かれるが、忙しい時はZoomなどオンラインで参加したい時もある。そこで、オンラインでの開催を提案すると「そんなのは信用ならない」と即却下される。

◾️ 管理費の出納も、ネットバンキングを使えば便利なのに「ネットは危ない」「電子なんか信用できない」と反対され、いまだに通帳管理のまま。 議事録もオンラインで共有すればいいのに、「紙じゃないとわからない」と拒まれる。管理会社の担当者も「そうですよね」と賛同する始末。

◾️分譲マンションを買うと、避けて通れないのが「管理組合」。「管理会社に任せておけばいい」と思いがちだが、管理会社はあくまで組合から業務を委託されているに過ぎない。

◾️あくまで管理組合が運営主体であって、その運営は区分所有者から選ばれた役員が担う。ただ、役員の仕事は多岐にわたり、定期的に理事会にも出席が必要なため負担は重いため、なりたくない人は少なくない。

◾️AERAが実施したアンケートでは、「役員になりたくない」理由として、「管理会社の説明を聞くだけなら参加したくない。」、「理事会への出席とか総会準備など、手間暇がかかる」などの声が挙がる。

◾️埼玉県のマンションに住む女性は、組合役員になりたくない理由について、「仕事、家事、育児に追われて理事会に出る余裕はない」「理事会は男性ばかりで、女性の意見は無視する」と語る。

◾️ただ、管理組合が機能しなくなれば、建物の老朽化やトラブルの放置など住環境はたちまち悪化する。管理会社の言われるがままになってしまうリスクも生じる。

 

◾️一方、アンケートでは「役員になりたい」と回答する人も少なくなかった。その理由として、「役員になるのは、住んでいる者の義務」、「自分が住んでいるので、誰かに何かを勝手に決められたくない」というコメントがあった。

◾️10年前にマンションを購入した大阪の女性は、役員になって管理組合の必要性を痛感した。役員になる前年に大規模修繕工事の話が持ち上がったが、その理由は「マンション内の水漏れ」が発生したからと言う。

◾️確かに水漏れはあったが、簡単な修繕で済むはずと思ったが、他の役員に聞いても何もわからず、見積もりすら取っていなかった。

◾️その後理事長に就任した女性が、調査したところ、管理会社に言われるまま進められていたことが明らかになった。

◾️管理会社は「漏水」を口実に大規模修繕を実施する方が自社の利益につながるため、工事を前倒ししようとしたとしか考えられなかった。

◾️さらに当時は理事会の議事録すら作っていなかった。そのため、管理会社を変更し、議事録も毎回作成し、各戸に配布するようにした結果。今は管理組合も円滑に運営できているという。

◾️そして何より、役員になってマンション内で顔見知りができたのがよかったと話す。

◾️ 都内の大型マンションで暮らす50代の女性は、役員になったことで、「他人事」だったマンションの管理や運営を、「自分事」として捉えるようになった。

◾️ 以前から気になっていたのが、管理費の滞納者の存在のこと。役員になって内部資料に目を通すことができたことで、10年以上にわたり少し払っては払わなくなりを繰り返し、30万円近く滞納している住人がいることを知った。

◾️ 役員は1年交代のため、のらりくらりと滞納を繰り返す住人を見逃していたようだったが、対面での話し合いを持ち掛けても拒まれたため「確信犯」と見極め、最後は弁護士を通して「返済しなければ訴訟」と通知したところ、あっさり全額を回収できた。また、役員を経験したことで、当事者意識が強まったと言う。

◾️ 高齢化、無関心、責任の押しつけ合い・・・。誰かが動かなければ何も変わらない。

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筆者自身もマンション住まいですが、毎年立候補して「副理事長」を務めています。

 

本音を言えば、プロのマンション管理士として幸い暇でもないので、

わざわざボランティアで組合役員をやりたくはありません。

 

それなのに、なぜ今も継続しているのかと言えば、

適正な組合運営を継続した方が「長い目で見て負担が少ない」からです。

 

それを実感したエピソードがあります。

 

役員を退任した翌年に、自宅マンションで「ある事件」が発生しました。

ある日、駐車場のシャッターが大損壊するという不可解な事故で、原因は不明でした。

 

ただ、客観的な状況から、設備の経年劣化が破損の理由とは考えられず、人的な要因が大きいと考えられました。

 

にもかかわらず、当時の理事会と管理会社は、損害保険の申請もせずに約2百万円もの修繕費を組合の負担として支出しようと総会に議案を上程しました。

 

管理会社がサポートしていながら、「これではダメだ」と失望しました。

 

ただちに、次期理事長に復帰し、シャッターのメーカーから「経年劣化が事故の原因とは考えられない」との言質を得たうえで、損害保険の適用を申請したところ、修繕費満額が支払保険金として認められました。

 

・・と、わりと簡単に結果を回想していますが、

間違った方向で運営されている理事会を軌道修正するのは結構馬力が必要でした。

 

これを機に、やはり理事会のモニタリングは継続することを心に決めました。

その方がストレスも少なく、省エネできるからです。

 

もう一つ、私が得た教訓とは、

「自分の資産を守ってくれるのは管理会社ではない」ということです。

 

管理会社が頼りにならないなら、

「よく知らない他の住民」はもっと頼りになりません。

 

だったら、自分がやるしかない。

それだけです。

「他力本願」は、結局運任せと同じですから。

 

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村上 智史

村上 智史

株式会社マンション管理見直し本舗代表取締役・All About マンション管理士ガイド。早稲田大学卒業後、三井不動産に入社。土地オーナーとの共同事業、ビル賃貸事業、Jリート(不動産投資信託)の立ち上げに従事した後2013年3月退職。2013年5月 『あなたの資産を守る!マンション管理見直しの極意』(自由国民社刊)を上梓。無関心な住人の多いマンション管理組合が潜在的に抱えるリスクを解消し、長期にわたって資産価値を維持できるソリューションを提供することで、「豊かなマンションライフ」の実現を目指しています。

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