【理事長のギモン】マンション管理会社の「緊急対応業務費」って、いくらが妥当なの?

先日、「Yahoo! 知恵袋」でマンション管理組合の理事から以下の質問が掲載されていました。

 

【お尋ねの内容】

私は都内のある分譲マンションの管理組合の理事をやっています。

管理費の委託業務費の中に「緊急対応業務費」というものがあって24時間緊急の事態に対して色々と対処してくれるシステムです。

管理会社に支払っている金額が年間100万近いのですが非常に高いと思っています。

相場がよく分からないのでマンション管理に精通している方のご意見を聞きたいです。

 

残念ながら、このマンションの規模(住戸数)すら不明のため「年間100万円」という費用の水準が割高かどうかの判断はつきかねます。

 

ただ、都内の顧問先マンション(28戸)の理事会でも、この「緊急対応業務」に関する見直しを行い、次回の総会で管理会社のコールセンター業務を解約する方針を決議しました。

 

一口に「緊急対応業務」と言っても、管理会社によってその名称や業務範囲が統一されているわけではありません。

 

当該業務としては以下の項目が含まれると思いますが、各社独自の委託契約ではそのて明細や内訳を記載していたり、しなかったりとまちまちなのが実態です。

 

1) 共用部の設備監視業務

エレベーター、給排水設備、機械式駐車場などの各種設備の異常信号を管理室の中央監視盤を経由して、遠隔で受信し、現場に25分以内に駆けつけて1次対応を行います。

ほとんどの場合、セコムやALSOKなどの警備会社に再委託しています。

 

2) 専有住戸内のホームセキュリティ業務

専有住戸内の火災、ガス漏れ、非常通報、防犯(窓や玄関にセンサーがある)を住戸内のインターホン等を経由して遠隔で受信し、現場に25分以内に駆けつけて1次対応を行います。

こちらもほとんどの場合、セコムやALSOKなどの警備会社に再委託しています。

 

3)コールセンター業務

マンション居住者からの各種問い合わせについて受付対応します。

24時間常時対応する場合と、営業時間の制限がある場合があります。

 

マンションによっては 1)しかない場合もあれば、1)〜3)の全てが揃っているケースもあります。(ご自分のマンションの管理委託契約書でご確認ください。)

 

顧問先のマンションは、1)〜3)の全てが揃っているケースです。

 

この管理組合では、もともと管理会社に本業務をすべて委託していましたが、(当社が顧問になる前に)コスト削減のため1)と2)を直接警備会社に委託する方式に変更しました。

そのため、3)のコールセンター業務だけ管理会社に委託する形で残りました。

 

この費用は年間12万円ですが、警備会社への委託費の負担を合わせると、依然として割高な水準であることがわかりました。

 

しかも、このコールセンター業務について、このマンションでの受付状況を確認したところ、直近の2年間でたった6件しかないことが分かりました。

 

1件あたりの受付費用が、なんと4万円もかかっていることになります。

 

問い合わせの内容も、以下の通りいずれも緊急出動を要するレベルのものではなく、日中の営業時間内にフロント担当者に連絡すれば済むことがほとんどです。

 

<問い合わせ内容>

・オートドアの不具合      ・玄関鍵の紛失

・パーテーションボードの破損  ・勝手口扉の不具合

・漏水事故対応         ・宅配ロッカーのカードキー紛失

また、本業務を解約しても、緊急の場合には住戸内のインターホン(緊急通報ボタン)を通じて警備会社に一次対応を依頼することができます。

 

そのため、コールセンターの費用負担と問い合わせ実績を開示したうえで居住者アンケートを実施したところ、ほぼ全員が「解約でよい」と回答したため、理事会もその方針で進めることになりました。

 

なお、緊急対応業務費の妥当性を検証するには、上に示した業務の範囲に加えて細かな仕様(把握するセキュリティ信号の数など)を把握する必要があります。

 

ただ、これまでコンサルティングした事例でも大きく削減したケースも多いので、一度は見直してみることをお勧めします。

 

【参考記事】

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

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村上 智史

村上 智史

株式会社マンション管理見直し本舗代表取締役・All About マンション管理士ガイド。早稲田大学卒業後、三井不動産に入社。土地オーナーとの共同事業、ビル賃貸事業、Jリート(不動産投資信託)の立ち上げに従事した後2013年3月退職。2013年5月 『あなたの資産を守る!マンション管理見直しの極意』(自由国民社刊)を上梓。無関心な住人の多いマンション管理組合が潜在的に抱えるリスクを解消し、長期にわたって資産価値を維持できるソリューションを提供することで、「豊かなマンションライフ」の実現を目指しています。

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