ペットと暮らすマンション選びのコツ

 

今なお続く、空前のペットブーム。

不動産経済研究所が、2007年に行った調査によると、首都圏で販売された新規分譲マンションの8割以上は「ペット可物件」とのこと。マンションでペットと暮らすことは、もはや珍しいことではありません。

持ち家であればあまり気にすることのない「ペットとの暮らし」。しかし、マンションでペットを飼うには、賃貸でも分譲でも、いくつかの条件をクリアしないといけません。

 

ペット可物件を選ぶ

まず、当然ですが、「ペット可物件」であること。入居の際に「ペット不可」となっているのに、ペットを迎え入れることだけは絶対に止めていただきたい。ご近所トラブルの元になる上、もし大家から退去してほしいと要望があれば不利になるのはあなたです。そうなった後、多くの人はペットと一緒に部屋を出るのではなく、ペットだけを保護団体や保健所に預けるという現実もあります。そうならないためにも、まずは「ペット可物件」に住むことがペットを飼うための最低条件となります。

賃貸の場合、物件が「ペット可」となっていても、「大型犬はダメ」「多頭飼いはダメ」「敷金2カ月分償却」などの条件があることも…。ここで嘘をつくと、後で面倒なことになるので、入居前には「ペットを飼う場合の付帯条件」をしっかり確認しておきましょう。

分譲の場合「ペット禁止物件」なのに、隠れて飼っている人が他の住人とトラブルを起こすケースは多々あります。ペットアレルギーや、万が一噛み付いたときのことを考えると、管理組合からだけでなく、住人からも損害賠償責任を問われる可能性があります。分譲マンションなら、少なくとも「管理組合のルールブック」である管理規約を事前に目を通しておきましょう!

 

ペット共生型マンションに住む

最近多くなってきたペット共生型マンション、いわゆる「ペットを飼うことを前提として建てられたマンション」のこと。ペットを飼うことができるだけでなく、敷地内に「ドッグラン」や「足洗い場」はもちろんのこと、「動物病院」や「ペットサロン」が併設されている物件もあります。

共用スペースだけでなく、部屋の中にもさまざまな工夫があります。例えば、ペットが部屋間を自由に行き来できる「くぐり戸」が付けられていたり、クロスの引っかき傷や汚れをすぐに取り換えられるように、腰の位置から下だけを簡単に張り替えられるようになっていたりします。また、来客時に犬が飛び出さないようにドッグフェンスがはじめから取り付けられているところもあります。

ペット共生型マンションのいいところは何も設備だけでなく、何よりもペットとの生活に対する理解と共感が得られやすいということ。少々の迷惑も「同じ悩み」としてアドバイスをくれたり、飼い主同士が仲良くなることだってあります。

 

首都圏でマンション暮らしをしながらペットを飼うというのは、思った以上に大変なことが多いはず。しかし、ペットも家族の一員です。その家族が幸せに、そして末永く一緒に暮らすためにも、マンション選びは慎重になりたいものですね。

 


The following two tabs change content below.
稲崎 吾郎

稲崎 吾郎

武蔵野美術大学でインテリアデザインを専攻。卒業後は設計事務所でデザイナーとして働く。現在は国内外のアート、デザインなどを中心に執筆するフリーライター。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

セミナー案内

  1. 登録されている記事はございません。

イロドリストなブロガーたち

ページ上部へ戻る