神奈川県にある顧問先のマンション(90戸)では、ここ数年で排水管の詰まりによる滞水事故が相次いで発生するようになりました。
2020年以降、雨水排水管の詰りに伴う修繕工事が合計8件も発生し、
その修繕費だけで総額440万円にものぼっています。
排水の詰まりの原因を調査したところ、
敷地内に植えられた「木の根っこ」が配管内に混入したためと判明しました。
そのため、下記画像のとおり、雨水枡の周辺を掘削したうえで枡と雨水管内に伸びた木の根を取り除いたううえで、配管の交換工事を実施しました。
<雨水枡の周辺の状況:枡のそばに高い樹木が植生>
<雨水枡の周辺:枡の周辺に多くの根が伸びている>
<枡内に根っこが混入>
<切断した雨水管内にも根っこが大量に混入>
ただ、現在詰まり等が発生していない場所でも、今後木の根が侵入するリスクがあるため、どの植栽が排水管の詰まりに影響しているのかを植栽業者にヒアリングし、再発防止策を検討することになりました。
その結果、特に敷地内に植生している高木(針葉樹 )の根が、雨水枡経由で排水管内に侵入して詰まらせていることが判りました。
そのため、このマンションでは敷地内の高木の伐採を検討することになりました。
植栽が豊かで高木の植生しているマンションでは、樹木の成長とともに木の根も伸びるので要注意です。
ちなみに、高木が育ってくると、植栽管理作業にも手間(人件費)がかかるので、経年的に維持管理費も上昇する傾向が見られます。
<参考記事>
築20年を超える時期に植栽の植生状況を点検のうえ、見直すことも必要かもしれません。
<参考記事>
村上 智史
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