3年連続の委託費増額改定に堪忍袋の緒が切れたマンション管理組合
2026/02/08

本ブログでも昨年からご案内していますが、2026年4月1日に施行される区分所有法の大幅改正に伴い、すべての管理組合の管理規約の改定が必須となります。
<参考記事>
昨年10月に改定された国交省の最新版「マンション標準管理規約」は、その改正法の内容を反映したものです。
区分所有法の条文の一部には「強行規定」が含まれており、区分所有法の条文通りに遵守しなくてはならない事項があります。
もし改正法の施行日(2026年4月1日)以降も、あなたのマンションの管理規約が改定されず、
改正法の条文と異なる決議要件にて総会決議された場合、その決議自体が無効になってしまう恐れがあります。
国交省の「標準管理規約」自体は、あくまで「指針」という位置付けなので、改定されても各組合の管理規約がこれに従う義務はありません。
ただし、今回は区分所有法の強行規定の改正内容が反映されたものなので、あなたのマンションの管理規約の改定の際に参考になるのは間違いありません。
先日、国交省から改定内容をビジュアルで解説したパンフレットが発行されたので、これを抜粋しながら今回の改正内容(強行規定の箇所のみ)のポイントを解説します。
(1) 特別決議事項における「出席者多数決制」の導入

現行法では、特別決議や建替え決議においては、総会に出席せず、委任状や議決権行使書すら提出しない区分所有者は「反対者」と同様に扱われます。
その結果、重要な議案にもかかわらず必要な賛成数を確保できず、組合の運営が停滞するケースも生じています。
こうした状況に鑑み、改正法ではあらたに区分所有者の責務として、各区分所有者は管理が適正・円滑に行われるよう、管理組合の構成員として相互に協力しなければならない旨を規定しました。
そのうえで、総会議案に対し一切意思を示さない区分所有者をあらかじめ除外し、出席した区分所有者の多数決による決議を可能とする仕組みに変わります。(ただし、建替えなどの区分所有権の処分については「全区分所有者」のまま)
ただし、総会の出席者が何名でもOKという訳ではありません。
「組合員総数の過半数」かつ「議決権総数の過半数」を有する組合員の出席(委任状等を含む)が前提条件になるのでご留意ください。
(2)総会招集時の通知事項への「議案の要領」の記載
総会招集通知の案内文書に、上程する議案の件名(例:管理委託契約締結の件)だけでなく、すべての議案に「議案の要領」を示すよう変更となりました。
議案の要領とは、「議案の内容を把握し、検討できる程度の情報の要約」を示すことです。
この他にも、総会招集に関しては
◾️緊急時の招集の際に、通知の最短期間を「1週間」に変更(現在:5日間)
◾️共用部分の変更等の決議で多数決要件が緩和される場合はその旨通知すること
が定められため、管理規約の改定が必要になります。
(3)総会の定足要件の変更

上記(1)の特別決議事項に関する決議要件の変更に伴い、総会の定足数を議決権総数の「半数以上」から「過半数」に変更しました。
(4)共用部分等の損害賠償請求権の代理行使について

共用部分(屋根、外壁、配管など)に瑕疵や損害が生じたとき、個々の区分所有者がバラバラに請求すると、法的整理が煩雑になったり、請求漏れや請求の重複が生じるリスクがあります。
そのため、改正法では「管理者である理事長が一括して損害賠償請求権等の代理行使を行う」との規定を定めたため、標準規約にも当該条文が反映されました。
次回は、「共用部分変更に係る決議要件」や「マンション再生に関する決議」に関する多数決要件の緩和等について取り上げます。
<参考記事>
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