管理組合が収益事業をおこなった場合の税負担は?

 

昨今では、マンション管理組合においても、駐車場を外部に貸したり、屋上に携帯電話の基地局を設置することで、収益事業を行うケースが増えています。

このような場合には、たとえ管理組合であっても法人税等の課税対象になります(参照記事「マンション管理組合も税金を払わなければいけないの?」)。

では、具体的にどのように税金がかかるのか、下記の事例にもとづいてご紹介します。

<前提条件>

  • 駐車場40台のうち、空き10区画を月額12,000円/台で外部(区分所有者以外)へ貸し出します。
  • 機械式駐車場のため、保守メンテナンス費用や電気代がかかるものとします
    (空き区画10台分について、年間480,000円の支出)。
  • 税務申告業務を、税理士に委託します(年間120,000円の支出)。
  •  

    <課税所得>

    駐車場収入=12,000円×10台×12ヵ月=1,440,000円/年

    課税の対象となる所得は、駐車場収入から必要経費として保守メンテナンス費用と税理士委託料を差し引いて求めます。

    課税所得=1,440,000円ー(480,000円+120,000円)=840,000円

     

    <納税額>

    この課税所得84万円に対してかかる法人税、法人事業税、住民税等を計算すると、約280,000円となります。
    したがって、課税所得に対しておよそ3割の税負担がかかることになります(※経費の多寡によって税負担割合も変動します)。

     

    <外貸しによる手取り収入の増加分>

    駐車場収入から、税理士委託料と税金の合計40万円を差し引くと、
    1,440,000円ー(120,000円+280,000円)=1,040,000円 となります。

    なお、駐車場の賃貸事業に対する課税の場合、外部に貸し付けた部分のみが課税対象となるのか、すべての駐車場収益(上記のケースなら40台分)が課税対象となるのかが、長い間不明確でした。

    これに関する国税庁の見解が平成24年2月に明らかになり、次の2つの要件を満たす場合には、外部(区分所有者以外)に貸し付けた部分のみを課税対象としてよいこととなりました。

    【要件1】 駐車場使用は区分所有者を優先すること

    具体的には区分所有者の使用希望がない場合にのみ外部使用を行うこととし、区分所有者から駐車場の使用希望があったときには、一定の期間(例えば3ヵ月)以内に、外部使用を受けている者は明け渡さなければならないという条件を付すことが必要です。

    【要件2】 外部貸しにより得た収益を区分所有者へ分配しないこと

    駐車場の外部使用に係る収益を、区分所有者に還元せずに、管理費または修繕積立金に充当することが必要です。

    ただし、あなたのマンションの管理規約に、区分所有者以外の者に対して駐車場の貸出しを行う旨の定めがない場合には、総会の特別決議により管理規約を変更することが必要となりますので、ご注意ください。

     


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    北島秀明
    税理士(北島税理士事務所)。東京税理士会日本橋支部所属。事業会社、コンサルティング会社を経て、税理士事務所を開業(社会保険労務士、行政書士との合同事務所)。マンション管理組合の税務申告を請け負い、税務調査官との代理交渉も行う。モットーは「納税者に寄り添った適切な納税」

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