住人同士の交流が深まるマンションの「お祭り」

 

マンションと言えば、戸建てと違って隣近所との煩わしいお付き合いもなく、どちらかと言えば「個の生活を楽しむ」ための住まい方として好まれてきました。しかしながら、最近では狭い敷地でも建築できるタワー型の超高層マンションが林立しはじめ、その結果、大規模なコミュニティがある日突然生まれることも珍しくありません。

品川シーサイドレジデンス」。JR埼京線と相互乗り入れしている「りんかい線」の最寄駅からほど近い場所にあります。

このマンションでは、同じ住人で組織される自治会と連携して、年2回のフェスティバルを開催して住人間の親睦を図っています。

全3棟・約400戸の世帯から成るこのマンションには、1階共用部分に、住人が集えるスペースがふんだんにあります。それらを利用して、アロマキャンドルの教室や、デザートづくりのワークショップから、その道の専門家を招いたマネーやランニングに関するセミナー、プロミュージシャンが目の前で生演奏するジャズコンサートなど、朝から夕方まで丸一日盛り沢山のプログラムが組まれています(※)。

管理組合の理事であり、このイベントの実行委員でもある森さんに伺ったところでは、「お祭り好きの理事」たちが言いだしっぺになってスタートし、それ以降後継理事に引き継がれる中、「恒例行事」となったようです。

森さんも、組合の輪番制のルールにしたがって、最初は受け身の立場で引き受けたものの、取り組んでいく中で、新しい企画や気づいた点の改善を提案するなど、次第に積極的に参加するようになりました。

気になるのは、住人の参加意欲です。森さんの実感では、だいたい100名くらいが参加しているとのこと。400戸で約1000人が居住しているとすると、参加率は10%くらい。これをもう少し高めていくのが今後の課題だとか。

それにこういうイベントの場合、毎回見かける顔ぶれも固定化してしまいがち。森さんたちは、開催スケジュールがあらかじめ決められたイベントだけでなく、「通りすがりの住人がふらっと立ち寄れる場づくり」として、屋台を並べるなどの工夫をしています。

品川SSR_ジャズ風景

夕刻からは、ジャズの生演奏が始まり、ワイングラスを片手に楽しむ人たちが集まってきました。

大きな共有空間を活かすことで、コミュニティの有り様も変わってきますね

(※マンションのコミュニティ形成支援サービス「ユウト」を展開する株式会社ディグアウトが、本イベントの企画・運営をサポートしています)

 

 


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村上 智史

村上 智史

株式会社マンション管理見直し本舗代表取締役・All About マンション管理士ガイド。早稲田大学卒業後、三井不動産に入社。土地オーナーとの共同事業、ビル賃貸事業、Jリート(不動産投資信託)の立ち上げに従事した後2013年3月退職。2013年5月 『あなたの資産を守る!マンション管理見直しの極意』(自由国民社刊)を上梓。無関心な住人の多いマンション管理組合が潜在的に抱えるリスクを解消し、長期にわたって資産価値を維持できるソリューションを提供することで、「豊かなマンションライフ」の実現を目指しています。

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