マンション管理費の長期滞納問題、知っておくべき解決方法と事前の対策
2024/07/05
昨日、マンション管理適正化診断のために、都区部にある高経年マンションに伺いました。
最寄りの地下鉄の駅から徒歩5分もかからず、ロケーションは最高です。
このマンション、今年でなんと築51年目を迎えるとのこと。
これまで私が携わってきた中でも、突出して古い物件です。
しかしながら、新築当初から管理会社を介さずに、一貫して「自主管理」でやってこられたそうです。
このマンションには住込みの管理人さんがいて、管理費の請求・出納会計も管理人にサポートしてもらいながらマネジメントしてきたのこと。
こちらの理事長さんは30数年にわたって務めてこられ、年齢もすでに70歳を超えていらっしゃいますが、昨年は外壁補修と屋上防水といった大きな仕事も無事完了されています。
これまでの実績から、建物などのハードウェアについてはなお持続性はありそうですが、理事長さんが目下抱えている最大の悩みは管理組合の運営の問題です。
住込みの管理人さんが病気のため昨年末から業務ができなくなってしまったので、業務の負担が高齢の理事長さんにすべてかかってしまっているのです。
「3ヶ月間何とかやってきたけど、このままではもたない……」とおっしゃっていました。
全体の約3割を占める外部所有者を含め、全50世帯への管理費の請求管理を行うのが精一杯で、理事会の運営までは手が回らず、最近は開催していないようです。
管理費の滞納は以前に比べて減ったようですが、一部長期の滞納もあります。
決算書や、総会議案書やその議事録、修繕工事や設備の保守点検の報告書といった書類も整理されていないので、探しだすのも一苦労です。
高経年マンションでは、建物・設備の老朽化対策とそのための資金繰りが大きな課題となるのはもちろんですが、居住者の高齢化や外部所有者の増加に伴う管理組合のマネジメント力の低下の方がより深刻な問題だと言えます。
今後老朽化マンションの増加に伴い、このような悩みを抱える管理組合が珍しくなるのは間違いありません。
そして、こうした問題の解決に携わっていくこともマンション管理士としての本懐です。
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