管理会社のリプレイス提案でわかる管理委託契約見直しのポイント

先日、都内の大規模マンションで、管理会社のリプレイス(変更)に伴う新たな候補先3社によるプレゼン会が開催されました。

事前に管理委託費の見積もり条件についての提示は受けているため、当初の候補先5社から3社に絞り込まれた後の「最終選考会」という位置付けでした。

フロント担当の候補者も陪席してもらったうえで、会社の概要や受託実績はもちろんのこと、具体的な運営業務の内容や品質管理上の工夫などについても説明してもらいました。

プロジェクターを使用して演出する会社もあれば、プレゼンの担当を項目ごとに複数で分担して行う会社もあり、各社の特徴がみて取れます。

そんな中、委託契約に付帯する条件として以下のような追加提案がありました。

 

1)印刷代、通信費等の負担

通常は管理組合が負担することの多い総会議案書等のコピー・郵送料、管理室の電話代、文房具等の消耗品費などを管理会社が負担するという会社が2社ありました。

これによって、この管理組合では管理委託費に加えてこれらの経費削減効果も得ることができました。

 

2)長期修繕計画の更新頻度

通常は、概ね5年ごとに見直して更新するという契約が多いのですが、修繕実施状況に応じて毎年更新しながらメンテナンスすることをコミットする会社がありました。

 

3)理事会議事録案の作成期限

理事会の開催後、フロント担当者による議事録案の作成に2、3週間かかるケースも少なくありませんが、1週間以内の提出をコミットする会社が2社ありました。

 

「釣った魚には餌はやらない」の諺のように、すでに10数年を越える長い契約関係にあってすでに「お得意先」の管理組合であるにもかかわらず、逆に馴れることによって緊張感が薄れ、業務品質が徐々に低下していく残念な管理会社が多いのが実情です。

 

現在の管理会社を変更するまでは考えていない管理組合でも、こうした事例にもとづいて委託契約更新の際には管理会社に一部見直しを要請してみるのもよいかもしれません。

 

<参考記事>

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

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村上 智史

村上 智史

株式会社マンション管理見直し本舗代表取締役・All About マンション管理士ガイド。早稲田大学卒業後、三井不動産に入社。土地オーナーとの共同事業、ビル賃貸事業、Jリート(不動産投資信託)の立ち上げに従事した後2013年3月退職。2013年5月 『あなたの資産を守る!マンション管理見直しの極意』(自由国民社刊)を上梓。無関心な住人の多いマンション管理組合が潜在的に抱えるリスクを解消し、長期にわたって資産価値を維持できるソリューションを提供することで、「豊かなマンションライフ」の実現を目指しています。

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