顧問先マンションの「8年間の成果」を見える化!

私がコンサルタントとして顧問を務めるマンション管理組合(神奈川県・90戸)では、1年毎に理事長が交代するたびにブリーフィングを実施しています。

 

事業年度ごとのトピックのサマリーを時系列で整理し、その経緯や検討経過、施策の効果などをレポートに纏めた資料をもとに、先日新理事長に説明しました。

 

このマンションにおける主なトピックとしては以下の項目が挙げられます。

・管理コストの適正化(管理委託費:従前比33%ダウン)

・機械式駐車場の平面化(86台のパレットを撤去して35台の平置きに改装)

・修繕積立金の増額改定(月額単価 @200円/㎡⇒@300円/㎡)

・屋上防水改修工事の実施(25年の長期保証付き:特殊素材仕様のため)

・第2回大規模修繕工事の実施検討(来春着工予定)

 

<参考記事>

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

上記以外にも多くのトピック(長期滞納者対応、漏水対策、台風時のエレベーター被水事故など)がありますが、改めて振り返ると様々な課題と闘ってきたんだだなぁ・・と感慨深くなります。

 

8年前と比べて最も顕著な違いがあるのが、管理組合の「お財布事情」です。

 

駐車場の稼働率低下で収入が減少したものの、管理委託費などのコスト削減の成果によって、安全余裕率(収益に占める剰余金の比率)が大幅に改善しています。

(下表参照)

 

【8年前の会計収支】管理費会計の安全余裕率:0.2%

【現在の会計収支】管理費会計の安全余裕率:18.9%

 

また、修繕積立金の「簿外債務」(長期修繕計画で見込む今後30年間の修繕費から繰越剰余金の残高と現在の徴収額の横伸ばし分を差し引いた金額)については、8年前の時点では修繕積立金を+@155円の増額を行う必要がありました。

 

 

現在の長期修繕計画では、消費税の増税を含む修繕見込額の増加や修繕積立金の増額改定も反映されており、8年前とは所与の条件も変化していますが、管理費会計の収支改善に伴う剰余金の充当を前提とすれば、現時点では簿外債務はマイナスとなるため、修繕積立金のこれ以上の再増額は必要ない見通しとなっています。

 

ちなみに、「変わっていない」ことを挙げると、管理会社は8年前と変わりません。

 

つまり、リプレイスせずに管理組合の財政改善などの改革が実現できたのです。

 

私だけではなく、管理会社との二人三脚で管理組合をサポートした結果だと思います。

 

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村上 智史

村上 智史

株式会社マンション管理見直し本舗代表取締役・All About マンション管理士ガイド。早稲田大学卒業後、三井不動産に入社。土地オーナーとの共同事業、ビル賃貸事業、Jリート(不動産投資信託)の立ち上げに従事した後2013年3月退職。2013年5月 『あなたの資産を守る!マンション管理見直しの極意』(自由国民社刊)を上梓。無関心な住人の多いマンション管理組合が潜在的に抱えるリスクを解消し、長期にわたって資産価値を維持できるソリューションを提供することで、「豊かなマンションライフ」の実現を目指しています。

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