前回の契約更新から5年経ったのに、マンション保険料が大幅に下がったワケ

顧問先のマンション(神奈川県 31戸 築27年目)では、現在の保険契約が11月1日をもって満了となるため、更新後の契約について検討していました。

大手損保5社から相見積もりを取ったところ、「マンション管理適正化診断サービス」の結果が良好だったため、保険料が大幅に下がることがわかりました。

他の顧問先マンションでは、少しでも保険料の負担増を抑えようと(保険会社の)免責額を増やしたり、過剰と思われる補償をカットするなど苦肉の策を講じているところです。

 

しかしながら、このマンションについては現状の補償条件を維持したまま2割以上保険料が下がるため内心驚きました。(下記参照)

 

【保険料(5年分一括払いの場合)】

・日新火災(現契約)     1,277,670円
・日新火災(更新予定)      979,270円(現状比 23%ダウン)

(参考)T社         1,521,940円

 

なぜこのような結果になったのでしょう?

 

まず、日新火災の「マンションドクター火災保険」の場合、日管連の「マンション管理適正化診断サービス」の結果が引受保険料に反映される仕組みになっています。

 

 

このマンションの場合、この適正化診断の結果が5年前と比べて「B」⇒「A」ランクに評価が改善したため、築年数が増えたにもかかわらず保険料が下がったのです。

 

具体的にどこが評価されたのか、診断項目ごとにチェックしてみました。

 

(1)長期修繕計画の更新

前回の診断では、5年ごとの見直しが必要とされる長期修繕計画が10年以上更新されておらず、ポイントを獲得できませんでした。

そのため、3年前に長期修繕計画の更新を実施したため、今回評価が改善されました。

 

(2)修繕積立金の徴収額

修繕積立金の徴収額が、「国交省のガイドライン」の目安額に比べて低い水準にとどまっていたため、ポイントが得られませんでした。

 

そのため、3年前に長期修繕計画の更新と併せて修繕積立金の増額改定も実施し、この項目もクリアしました。

 

(3)大規模修繕工事

このマンションでは、今春第2回目の大規模修繕工事が完工したばりで、当然ながら施工業者の瑕疵保証も有効なためリスクが低いと評価され、今回はポイントを獲得できました。

 

また、施工業者には、「大規模修繕工事瑕疵保険」にも加入してもらうことを発注の条件に加えたことが追加ポイントの獲得につながりました。

 

このマンションは、5年前に管理コストの適正化からコンサルティングを開始し、その後は定期顧問契約を締結し、大規模修繕工事、管理会社のリプレイス、エレベーターのリニューアルなどのサポートをしてきましたが、その成果が保険契約に現れる形になり、当社の貢献を管理組合にアピールできる良い機会になりました。

 

<参考記事>

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

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村上 智史

村上 智史

株式会社マンション管理見直し本舗代表取締役・All About マンション管理士ガイド。早稲田大学卒業後、三井不動産に入社。土地オーナーとの共同事業、ビル賃貸事業、Jリート(不動産投資信託)の立ち上げに従事した後2013年3月退職。2013年5月 『あなたの資産を守る!マンション管理見直しの極意』(自由国民社刊)を上梓。無関心な住人の多いマンション管理組合が潜在的に抱えるリスクを解消し、長期にわたって資産価値を維持できるソリューションを提供することで、「豊かなマンションライフ」の実現を目指しています。

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