マンション管理費の長期滞納問題、知っておくべき解決方法と事前の対策
2024/07/05
先日、現在当社がコンサルティング中の都内のマンション管理組合(全20戸)で総会が開催され、管理委託契約の条件変更について全会一致で承認されました。
そのため今秋以降、このマンションの管理委託費は現状比で約2割下がります。
<なお、管理仕様は一切変更していません>
このコンサル案件の経緯ですが、昨年夏に理事長さんが当社のセミナーに参加されたことを機にご相談を受け、
理事会にて業務メニューのご説明
↓
「管理コスト適正化診断プラグラム」の受注
↓
「マンション管理見直し隊」のご契約
と順調に進みました。
そして、今春から管理会社との交渉に着手して約2ヶ月をかけて交渉したところ、なんとか通常総会の議案上程に間に合ったというわけです。
先行して昨年末に実施した「管理コスト適正化診断プラグラム」では、管理委託契約のほかに「マンション保険料」と「電気料金」も診断するのですが、両方とも大きな削減余地があることが分かりました。
この2つについては、今年の3月に臨時総会が開催されすでに承認済みで、管理委託費に先行してコスト削減が実現しています。
1)マンション保険の見直し
日管連の「マンション管理適正化診断サービス」で診断した結果、組合の日常運営が適正と判断されて最高の「S」評価を獲得したため、日新火災の「マンションドクター火災保険」の保険料が大幅に割り引かれることがわかりました。
<参考記事>
現在加入している保険と同等以上の補償条件にもかかわらず、保険料が3割超下がるのです。
その結果、コスト削減効果として年間8万円強享受することができました。
2)共用部電気料金の見直し
こちらのマンションでは、新電力への切り替えをすでに実施していて若干のコストダウンは実現していましたが、小規模マンションに有効な「電子ブレーカーの導入」は未実施の状況でした。
しかしながら、現地調査した結果
電子ブレーカーの導入によって電気料金が年間約9万円下がることがわかりました。
電子ブレーカーの導入に際して約30万円かかりますが、「10年保証」がついているうえ、コスト削減効果によってその購入費を3年半で償却できるので、確実にお得です。
<参考記事>
3)管理委託費の見直し
そして締めくくりは、管理委託契約の見直しです。
こちらは、相手方(管理会社)との交渉が必須なため、そう簡単にはいきません。
こちらの理事会としては管理会社のリプレイス(変更)までは希望していませんでした。
そのため、当社が診断して特に割高な金額だと判断した「エレベーター保守」、「消防設備点検」、「定期清掃」などを対象にビルメン会社から相見積もりも取り、確実に下げられることを相手に示しながら、プレッシャーをかけていきました。
その結果、管理会社も最後は観念して約20%のコストダウンの成果が得られました。
ちなみに、このコスト削減による年間経済効果は 62万円強 です。
以上の「見直し成果」をまとめると、以下のようになります。
■ マンション保険料: 8万円/年
■ 共用部電気料金 : 9万円/年
■ 管理委託費 :62万円/年 合計79万円/年 ≒ 80 万円/年
住戸数(20戸)で割ると、戸あたり4万円/年の経済効果 となります。
こうした見直し成果は、一般的な分譲マンションであればまったく珍しくありません。
これまで一度も見直したことがない管理組合なら、必ず削減余地は見つかるはずです。
「高経年だから・・・」
「小規模マンションだから・・」と諦める必要はまったくないのです。
それほど、マンション管理には「見えないところのムダ」が潜んでいるのです。
<参考記事>
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