マンション管理委託費の『出精値引き』ってアリなの?

目下、コンサルティング先の管理組合で、管理会社と委託費に関する減額交渉をしている案件があります。

 

こちらの減額要請に対する1次回答では、管理組合側の要望金額との乖離が大きかったため再度要請をしたところ、2回目では踏み込んだ減額の提示がありました。

 

ただ、清掃や設備保守費などの各明細費用に変更はなく、最後に「出精値引き」と称する追加減額の提示が一括でなされていました

 

そこで、「出精値引き分を各業務費に割り振ってもらえないか」と管理会社にお願いしたところ、

「最大限尽力に努めた結果であるため、出精値引きとしか出せないことをご理解下さい。出精値引きの意味をご考慮頂きますようお願い致します。」

という返信がありました。

 

「意味を考えてくれ」とまで言われたので早速調べてみたところ、以下のような複数の説があることが分かりました。

 

#1 「あなたのために頑張って値引きしました」説

これはまさに「精を出す」=頑張るという語源からの意味でしょうね。

ただ、「これ以上の値引きはできない」というニュアンスを含んでいるとも・・。

 

#2 「今回に限り値引きました」説

あくまで今回限りの特別措置で、「次回からは元に戻す」ということも示唆します。

 

#3 「端数を切る・数字を丸める」説

たとえば、千円未満を値引きしてジャストの金額でまとめてしまうようなケース。

 

#4 値引きの明細を出したくない」説

同業他社との関係から、値引き単価を記載できないようなときに利用する。

 

察するに、管理会社の主張したいのは「#1」の意味なのでしょうね。

ただし、商慣習的には「#2」「#4」もありうるので、そこがひっかかります。

 

また、管理委託契約は1年ごとに更新していくのが通常ですが、

事実上継続的な取引になっており、委託金額も原則変動することはありません。

 

その意味で、単発的な取引で使う「今回限りの特別価格」というニュアンスは馴染まないと思います。

 

また、こちらもプロフェッショナルとして、何の根拠もなく無闇矢鱈に減額をお願いしているわけではありません。

 

管理員、清掃、設備保守、事務管理それぞれの業務について適正な費用水準がどれくらいかを事前にしっかりと査定しています。

 

つまり、各業務費用の価格を適正化することが私たちコンサルタントのミッションなのに、出精値引きではその達成状況がグロスでしか判断できないことになります。

 

そのため、管理会社による値引き努力は多としますが、各業務の費用に減額分を反映するよう再度お願いすることになりました。

 

余談ですが、出精値引きの意味をネットで調べていると、「建設業界など、いい加減な業界で使われることが多い」との指摘も見られました。

 

管理会社もそういう批判を浴びることがないように対応してくれることを期待します。

 


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村上 智史

村上 智史

株式会社マンション管理見直し本舗代表取締役・All About マンション管理士ガイド。早稲田大学卒業後、三井不動産に入社。土地オーナーとの共同事業、ビル賃貸事業、Jリート(不動産投資信託)の立ち上げに従事した後2013年3月退職。2013年5月 『あなたの資産を守る!マンション管理見直しの極意』(自由国民社刊)を上梓。無関心な住人の多いマンション管理組合が潜在的に抱えるリスクを解消し、長期にわたって資産価値を維持できるソリューションを提供することで、「豊かなマンションライフ」の実現を目指しています。

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