将来大きく値下がりしそうなマンションの特徴とは?

12月8日付けの「ザイ・オンライン」で、「売れるマンション/売れないマンションの差は?」と題した記事が掲載されていました。

 

diamond.jp

本記事を要約すると、以下の通りです。

■ どのマンションも経年的にその価値が下がっていくことは避けられないが、中には将来的に大きく価格が下落するリスクの高い物件もある。

 

■ それを判断する要素として、「耐震性」「立地」「規模」「管理費等」の4つがある。具体的な評価ポイントは以下の通り。

 

■ ポイント①「旧耐震基準のマンション」

1981年6月1日以降に「建築確認申請」を受理された物件が、「新耐震基準」(震度6強~7程度の揺れでも倒壊しない)。

・また、旧耐震建物については、住宅ローンの審査にも影響がある。買い手が「フラット35」を利用する場合、耐久性や耐震性の審査を受け、住宅金融支援機構の適合証明書を取得する必要がある。

 

■ ポイント②「最寄り駅まで徒歩10分圏内の立地にない」

・2017年に分譲された首都圏のマンションでは、徒歩7分以内が60.2%を占め、徒歩11分以内になると全体86.4%を占める

・こうしたデータを見る限り、高経年マンションで徒歩10分を超えるものは、競争力があまりない。

 

■ ポイント③「郊外の大規模マンション」

・DINKS世帯や独身世帯が増えたことに伴い、通勤時間を短縮して時間を有効に使うための「職住近接」ニーズが高まっている

・また、郊外での暮らしが高齢者世帯には負担となるため、より利便性の高い「都心回帰」の住み替えが増えている

・総戸数100戸以上の大規模物件については、管理状態の悪化リスクが高い傾向が見られる。

・築20~30年経つと居住者が高齢化し、大規模物件では組合の総意が取りにくくなることが多い。また、大規模修繕の実施に対して高齢者は受ける恩恵が薄いので、一時金などの出費を伴う場合には反対しがち

 

■ ポイント④「総戸数が30戸以下の小規模マンション」

・大規模マンションに比べてスケールメリットが出ないため、1戸当たりの管理費や修繕積立金が割高になりがち

・一方、新築時の販売においては、管理費や修繕積立金が低めに設定されることが多い。そのため、入居後に段階的に修繕積立金を値上げしたり、一時金を徴収するなどして帳尻を合わせる。

・ただ、こうした一時金の徴収や修繕積立金の値上げに全世帯が対応できるとは限らない。また、小規模物件になると、1戸当たりの負担割合が大きくなるのでなおさら。

 

■ 以上の4つの要件に該当する場合は、管理組合の「決算書」や「重要事項に係る調査報告書」という書類を入手して、まずはマンションの現状を把握すべきだ。

 

本記事を読んでみた印象としては、

確かに刺激的な書きぶりではあるものの、概ね「正論」 と言える内容だということです。

 

このブログでは、これらに追加したいリスク要素も挙げてみることにしましょう。

 

<追加判定項目 1> 管理費等の長期滞納者がいる!

・6ヶ月以上の中長期間にわたって滞納者がいるにもかかわらず、何ら法的措置等を取っていない管理組合は、適正な運営ができていない可能性が高いでしょう。

・業務委託先の管理会社も、組合に適切な提案をせずに他人事のように放置してサボっていると考えられます。

・最も重要なおカネについて問題を抱えている組合は、他の日常的な管理もおざなりになっている可能性大です。

・長期滞納者がいる場合には、理事会や総会の議事録で進捗状況をチェックしましょう!

 

<追加判定項目 2> 付設駐車場の稼働率が下がっている!

・高齢化や若者のクルマ離れに伴い、マンションの駐車場の空き区画が増える傾向が見られます。

2割以上の空き区画がある場合、管理組合の財政状況が厳しくなっている可能性があります。

・特に機械式駐車設備がある場合、収入が減るのに、修繕更新費や保守点検費は減らないどころか上昇します。

・築年数が増えると、その他の修繕の支出も増加します。何らかの対策を講じないと、修繕積立金のみならず、管理費も将来増額しなくてはならなくなる可能性大です。

・管理費や修繕積立金が平均以上に高いマンションは、相対的に価値が下がるのは避けられません。

 

さらにお伝えしたいことがあります。

それは、努力しても改善の難しい「立地」や「戸数」といった固有の要素はともかく、管理費等のおカネの問題については、管理組合に意思決定能力さえあれば大きく改善できる、ということです。

 

それを裏付けるデータとして、マンション管理見直し本舗でコンサルティングした管理組合における成果(2018年実績)をご紹介しましょう。

 

■ 東京都23区内のマンション(105戸・築14年目)

管理会社のリプレイス ⇒ 戸あたり平均2万円/年 の経済効果

 

■ 東京都23区内のマンション(22戸・築23年目)

管理委託費、電気料金、保険料の見直し⇒ 戸あたり平均4万円/年 の経済効果

 

■ 神奈川県のマンション(30戸・築22年目)

管理委託費、電気料金の見直し ⇒ 戸あたり年間4万円/年 の経済効果

 

■ 東京都23区内のマンション(28戸・築19年目)

管理委託費の見直し ⇒ 戸あたり平均4万円/年 の経済効果

 

■ 新潟県のマンション(50戸・築13年目)

管理委託費の見直し ⇒ 戸あたり年間7万円/年 の経済効果

 

上記事例の通り、住戸数の規模や築年数に関係なく、管理コストの見直しで財政状況を大きく改善できることは、これまでのコンサルティングの成果によって実証済みです。

 

もっとも重要なことは、管理組合の運営を他人事のように考えて「他人任せ」や「管理会社へ丸投げ」しないことです。

 

当社では、無料で個別相談もできるミニセミナーも用意していますので、ぜひお気軽にご参加ください!

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

【受付中】12月度セミナー開催のお知らせ|マンション管理見直し本舗

 

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<過去参考記事>

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

 


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村上 智史

村上 智史

株式会社マンション管理見直し本舗代表取締役・All About マンション管理士ガイド。早稲田大学卒業後、三井不動産に入社。土地オーナーとの共同事業、ビル賃貸事業、Jリート(不動産投資信託)の立ち上げに従事した後2013年3月退職。2013年5月 『あなたの資産を守る!マンション管理見直しの極意』(自由国民社刊)を上梓。無関心な住人の多いマンション管理組合が潜在的に抱えるリスクを解消し、長期にわたって資産価値を維持できるソリューションを提供することで、「豊かなマンションライフ」の実現を目指しています。

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