マンションの屋上防水改修工事に「25年」の長期保証が付帯する理由
2024/12/06
4月19日付の「まぐまぐニュース!」に、「それで住みやすいか?マンション共用部分にモノ置くなと叫ぶ人々 」という記事が掲載されていました。
本記事の要約は以下の通りです。
■ まわりに迷惑にならないことまではダメ出しせず、ある程度は個人の事情や利便性を尊重し、これまで特に問題のなかったマンションがある。
■ しかし、ある時から、共用部分の番人のような住人が現われ、見回ってはダメ出しして、管理会社や理事会に厳しく取り締まるように迫るようなケースがある。
■ また、あるマンションでは、室内駐輪場に複数の空気入れが置かれていて、暗黙の了解で他の人もそれを使わせてもらっていた。 しかし、新たに就任した理事長が「共用部分に私物を置いているのはけしからん、すぐに撤去させるように」と管理会社に指示したという。
■ 別のマンションでは、ある住民が、共用部分に私物がないか巡回チェックしていて、少しでも見つけると理事会にクレームを入れる。
■ 「共用廊下やポーチは共用部分だから私物を置いてはいけない。避難通路でもあるから。」というのが原則なのは確か。でも、あまり厳しく取り締まると暮らしにくいと感じることも事実だ。
■ 子供を連れて自転車で買いものに行って帰ってきたが、子供と荷物があるため、自転車をラックにしまえず、しばらく駐輪場以外の場所に自転車を止めていた。それを他の住人に厳しく注意されたことで、その後買い物に行けなくなった…という話もある。
■ 皆が周りを気遣って、ルールを守りながらも、それぞれの事情があるのだからと、一時的なものや迷惑にならないことには、片眼をつぶっているというのが、暗黙のうちにバランスの取れた住み心地のいい状態をつくってきていたなら、それはいい「文化」である。
■ そうした「文化」に無関心な人が画一的に取り締まることでその「文化」を壊していくことは、マンションにとって決してプラスとは思えない。結局、重大な合意形成時に必要なのは、まわりに対する気配りや事情がある人に対する想像力であり、その「文化」が育っていることだからだ。
■ もちろん、最初から、ルールを守ることを徹底し、それによって資産価値を維持するというコンセプトを守り続ける…それもひとつの「文化」だ。
筆者が記事の中で主張している「文化」の部分は私にも理解できます。
管理規約や使用細則に記載されたとおり何でもキッチリと運営しようとすれば、人間関係がギスギスしたものになりかねません。
しかし、だからと言って、管理組合や理事会の立場としては、こうした明文化されたルールとは別の「暗黙の了解」や「不文律」の存在を公式に認めるわけにはいきません。
また、筆者が好むような「文化」を好むかどうかは、その個人の価値観の問題です。
筆者とは反対側の「文化」を好む人も少なからずいるはずで、彼らは「管理規約や使用細則を遵守すべき」と主張するに違いありません。
もし筆者が好むような「皆が周りやそれぞれの事情を気遣って、一時的なものや迷惑にならないことには片眼をつぶるような文化」を醸成したいなら、日頃の住民同士の近所付き合いや、町内会といったコミュニティ活動に力を入れるべきではないでしょうか。
マンションで企画するならば、住民間の懇親会や防災訓練、除草会などの活動をレクレーションとして実施することも有効でしょう。
実際、顧問先のマンションでは定期的にこうした活動を企画されているところもあります。
「袖振り合うも多生の縁」という仏教由来の言葉があります。
「道で人と服の袖が触れ合うようなささいなできごとでも、それは偶然ではなく前世からの因縁だから大切にしなければならない」という意味です。
たまたま同じマンションで暮らしているだけであっても、住民同士はすでに「袖振り合う」関係となっているはずですが、昔のような井戸端会議や近所づきあいもすっかり影を潜め、こうした価値観が薄れつつあるのが現実です。
各人がどういう地域コミュニティにしたいのかを真剣に考えながら、地道に努力を継続することが求められるのだと思います。
<参考記事>
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