マンション内での嫌がらせ行為に遭ったらどうする?

 

マンション内に、死角はそこかしこに存在します。

管理人が常駐しているマンションは稀ですし、防犯カメラもエントランス付近やエレベータ内など、ごく限られた場所しか設置されていないからです。

そんな中、時折発生するのがマンションの居住者と思しき人間によるイタズラや嫌がらせです。

たとえば、こんな事件を見聞きします。

・玄関前に生ゴミを捨てられた
・玄関前に置いてある傘立てや子ども用の乗り物が他の場所に移動される
・玄関ドアを傷つけられた

こんな時、あなたが被害者ならどのように行動しますか?

この種の相談を受けた場合、私は以下のようなアドバイスをしています。

 

管理組合の理事長(理事会)に相談する

不幸にも嫌がらせ等に遭った場合には、泣き寝入りせずに管理組合に申し出ましょう。

被害者にとってプライベートな事柄なので、つい管理人や管理会社に陳情しがちですが、適当にお茶を濁されて根本的な解決に至らないおそれがあります。

分譲マンションの場合、管理組合の「理事会」が定期的に開催されていますから、そこで本件を議題として取り上げてもらうように依頼します。

そして、理事会でこうした卑劣な行為を断固許さない旨の決議をするとともに、陪席している管理会社の担当者に監視を強化するよう指示してもらいます。

具体的には「管理人の巡回頻度を上げる」あるいは「事件発生時の防犯カメラの録画状況を確認してもらう」などが考えられます。

 

管理組合から広報文書を掲示してもらう

理事会の開催後、後日その議事録を回覧するなどして本件の事実関係や今後の対処について広報してもらいます。

ただ、それだけではマンション内で認知されにくいおそれもあるので、本件への対応に関する理事長名義の文書を別途共用部にも掲示してもらいます。

居住している加害者がその掲示文書等を目にすれば、自らの犯行が露見した場合のリスクに怖気づく効果が期待できると思います。

なお、区分所有法第57条には下記の定めがあります。

(共同の利益に反する行為の停止等の請求)

第57条  区分所有者が第6条第1項に規定する行為(筆者註:区分所有者の権利義務等を規定した条文「区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない」) をした場合又はその行為をするおそれがある場合には、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、区分所有者の共同の利益のため、その行為を停止し、その行為の結果を除去し、又はその行為を予防するため必要な措置を執ることを請求することができる。

一般にはほとんど認知されていない法律の条文ですが、上記の広報文書に併記しておくと威嚇効果として有効だと思います。

 


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村上 智史

村上 智史

株式会社マンション管理見直し本舗代表取締役・All About マンション管理士ガイド。早稲田大学卒業後、三井不動産に入社。土地オーナーとの共同事業、ビル賃貸事業、Jリート(不動産投資信託)の立ち上げに従事した後2013年3月退職。2013年5月 『あなたの資産を守る!マンション管理見直しの極意』(自由国民社刊)を上梓。無関心な住人の多いマンション管理組合が潜在的に抱えるリスクを解消し、長期にわたって資産価値を維持できるソリューションを提供することで、「豊かなマンションライフ」の実現を目指しています。

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