マンション管理費の長期滞納者に訴訟を提起!
2024/11/18
先日、コンサルティングしている都内のマンション(築24年・ファミリータイプ 36戸) で通常総会が開催され、管理委託費の3割削減が実現しました。
今回は、当社へのご相談の経緯からコスト削減が実現するまでの経過についてご紹介しましょう。
竣工後24年を経過し、マンションの集合インターホンで不具合が相次いで発生していたうえ、メーカーの部品生産もすでに終了していることがわかりました。
そのため、管理会社を通じて設備更新のための見積もりを取得しましたが、適正な金額を確認するため、当社の下記サイトページを見つけた理事長さんから昨年10月に相見積もりの依頼がありました。
その後、当社の紹介を含めて複数の業者から相見積もりを取得した結果、当初予算に比べて大幅に下がった金額で工事を今春発注することができました。
上記の集合インターホン工事の検討と並行して、昨年11月に開催した当社セミナーに参加した理事長さんから、「昨年管理費や修繕積立金が増額改定され、区分所有者の経済負担が増えたので、コスト削減を検討したい」との相談を受けました。
その後、理事会で当社の業務内容や実績についてプレゼンの機会をいただいた際に、有償の「管理コスト適正化診断プログラム」をお勧めしました。
昨年12月に、理事会決議にもとづいて管理コスト診断を受託した後、組合の決算資料、管理委託契約書や長期修繕計画書を提供してもらって、現地調査を実施のうえ診断した結果を今年1月に報告しました。
その要点は、以下の通りです。
■ 組合の財政状況について
・管理費の増額改定で年間収支が黒字化しましたが、収益に対する剰余金比率は4%とあまり余裕がありません。 将来的に保険料や消費税などのコストアップのリスクがあるた。
・修繕積立金会計については、現在の徴収額を前提とした場合、長期修繕計画で見込まれる修繕費に対して30年間で84百万円の資金不足となり、なお増額リスクが高い。
■ 管理委託費の診断結果について
1) 現行の管理仕様を維持した場合:現在比で約26%の削減余地あり。
(年間経済効果:194万円 → 戸あたり平均@5.4万円 )
2)一部過剰な管理仕様を変更した場合:現在比で約39%の削減余地あり。
(年間経済効果:289万円→ 戸あたり平均@8.0万円 )
この診断結果を踏まえ、理事会で審議した結果、当社の「マンション管理見直し隊」業務の発注を決議し、今年2月の臨時総会の承認を経て本格的な管理委託契約の見直しに着手しました。
その後、3ヶ月ほどの期間をかけ、管理会社と都合3回交渉を行った結果、以下の内容で合意に漕ぎ着けました。
1)管理委託費の単純減額
機械警備業務や管理会社の諸経費を単純減額してもらいました。
2)委託業務の一部解約と専門業者との直契約への変更
清掃や共用部の設備管理業務費についても単純減額の提示があったものの、相見積もりを取得した専門業者と比較するとなお割高なため、再検討を求めたものの、折り合いませんでした。
そのため、消防設備や機械式駐車場、エレベーター保守点検については、専門のメンテナンス会社に直接発注することでより大きな削減効果を得ることを理事会が選択しました。
3)委託業務の一部仕様変更
管理員業務については、36戸の物件規模に対してやや過剰な仕様になっていました。そのため、以下の通り品質の低下を招かないレベルで以下の通り勤務時間の縮減を提案しました。
【現 在】 週6日(実質 週28時間)勤務
週5日(月~金):実質5時間
週1日(土) :実質3時間勤務
↓
【変更案】 週5日(実質 週20時間)勤務
週5日:午前中の4時間
理事会でもその程度ならば問題ないだろうと判断したものの、念のため一般組合員にもアンケートを実施したところ、圧倒的に賛成多数の回答が得られたため、勤務時間の縮減も加えることにしました。
その結果、年間237万円(現在比31%ダウン)のコスト削減ができました。
戸あたり平均で、年間6.6万円の経済効果ですから大きいですね。
というわけで、正式にご相談をいただいてから8ヶ月という短期間で、
事前の査定結果に近い成果を挙げることができました。
本件に限らず、セミナーのご参加が管理コスト見直しの契機になっていることが少なくありません。
次回のセミナーのお知らせですが、
7月17日(土)の午後に、「管理委託費の削減事例のご紹介」をテーマにオンラインセミナーを開催する予定です。
詳しくは当社サイトページをご覧ください!
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