マンション管理費の長期滞納問題、知っておくべき解決方法と事前の対策
2024/07/05
コンサルティングの依頼を受けた管理組合で、昨日「管理コスト適正化診断」の結果を報告してきました。
当社では、管理組合が管理会社と締結している「管理委託契約書」をご提示いただき、それを精査しながら「適正な金額」を査定しています。
では、この「適正な金額」とはどのように算定するのか?
委託金額 = 「価格」 × 「仕様」 です。
「価格」とは、たとえば清掃でいえば1回の作業当たりの金額のこと。
「仕様」とは、一定期間内での作業頻度(年4回、月1回など)のことです。
管理委託費の「ゼイ肉」(=割高な部分)は、「価格」だけでなく、「仕様」にも隠れていることが少なくありません。
そのため当社では「価格」と「仕様」の両面から見直したうえで、適正な金額として以下のとおり「2通り」の査定をしています。
【パターン1】現在の管理仕様を継続した場合
【パターン2】物件規模・特性等をふまえた管理仕様に変更した場合
たとえば、冒頭の管理組合の場合では、
【パターン1】現契約比で約25%の削減余地あり
【パターン2】現契約比で約39%の削減余地あり
という結果となりました。
つまり、現在の管理仕様を変更した方がより大きなコスト削減ができるというわけです。
このマンションの場合、中規模(約50戸)であるにもかかわらず、管理員の勤務時間がかなり「手厚い」設定になっていて、毎日(週7日)かつ1日9時間(休憩含む)の勤務となっていました。
さらに言えば、このマンションはタワー状の「内廊下型」のため、(外廊下型と違って)掃き・拭きの清掃にそれほど時間がかかりません。
共用設備の状況もごく標準的で、管理員が長時間いないと困る状況ではありません。
そのため、週6日・6時間/日(休憩込み)勤務に縮減しても品質が低下することはないと判断しました。
<参考記事>
これを仕様変更案として管理委託費に反映させたところ、「現状比39%の削減」となったのです。
このマンションの場合は、管理員業務については「価格」(時給単価)自体は妥当な水準でしたが、「仕様」にムダが隠れていた、というわけです。
一般的には、何度もマンションを買え換えたり、いくつも分譲マンションを所有している方は少数派だと思います。
そのため、自分のマンションの管理仕様が「世間標準」だと思い込みがちです。
しかし、実際にはマンション販売当時の売主の意向等によって恣意的に設定されたためにその管理仕様が「過剰」なケースが少なくありません。
管理見直しの余地は「価格」のみならず「仕様」にもあり! です。
<当社サイトページをご参照下さい>
<参考記事>
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