マンション管理費の長期滞納問題、知っておくべき解決方法と事前の対策
2024/07/05
顧問先のマンションで、先週から機械式駐車場の平面化工事がスタートしたので現場見学に行ってきました。
【既存の機械駐車設備を撤去した区画】
【重機を利用して鋼製板を設置する準備中】
この全体90戸のマンションは、分譲販売時には「全戸分の駐車場が附設されたマンション」がPRポイントの一つだったようです。
ところが、最寄り駅から徒歩数分という恵まれたロケーションが裏目に出たのか、満車状態になることはほぼなく、経年とともにほぼ一貫して稼働率が下がっていき、築20年目の現在は4割も空いている状況です。
この駐車場の空き区画増加に伴う収入減少が、管理コストの削減の動機につながり、当社が管理委託費の適正化を目的としたコンサルティングに携わるきっかけとなりました。
その後管理コストの適正化が実現し、年間5百万円以上の剰余金が生まれたことで、管理組合の財政状況は大きく改善できました。
しかしながら、まだ修繕積立金が将来不足するリスクは残っているため、今回の駐車場の平面化プロジェクトは、いわば「管理見直しのセカンド・ステージ」といえるでしょう。
今回の工事によって、90台の駐車設備のうち32台分の駐車パレットを撤去して12台の平面駐車場に改装しようというもので、20台分の駐車スペースが消えることになります。
ただ、もともと遊休化していたため、管理組合の収入は減ることはありません。
一方、年4回の保守点検(32台分)が不要になるため、年間約30万円のコストダウンとなります。
また、築30年目に予定されていた設備更新では撤去したパレット分の費用が減ることになります。これで約3千円のコストダウンが見込めます。
もちろん、平面化工事で1千万円以上の工事費がかかりますが、十分元は取れると判断して総会の特別決議(4分の3以上の承認が必要)もクリアすることができました。
このプロジェクトは、構想から実現まで足掛け2年以上かかりましたが、問題提起から論点の整理、アンケートの実施、住民説明会の開催などを通じて、管理組合全体で特に反対者も出さずにうまくコンセンサスを得られたことは素晴らしいことと思います。
<参考記事>
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