マンション管理費の長期滞納問題、知っておくべき解決方法と事前の対策
2024/07/05
顧問先のマンションでは、地下駐車場内から漏水が発生している箇所が指摘されたため、目下のところ原因調査の実施を検討しています。
雨天の際に発生しているので、おそらく建物の外壁に生じたクラック等から浸水したのではないかと思われますが、常時発生しているわけでもないため原因箇所を特定することが難しい・・・。
というのも、
漏水・雨漏りの水みちは構造物の中で思いも寄らぬ方向へ流れる傾向があるためです。
この「水みち」を特定する方法としては、散水テスト(蛍光染料の注入)や赤外線サーモグラフィーを実施するのが一般的です。
また、漏水原因と推察される場所の周辺に点検孔等がない場合には、その調査のために既存の壁や内装を一部斫って(破壊して)工事を実施する必要もあります。
漏水調査の費用については共用部に付保している「マンション総合保険」の補償範囲になっているのが一般的なので、管理組合の経済的負担は原則として生じませんが、その費用が高額に及ぶ場合は一部認定されないケースもあるようです。
また、斫りなど一部構造体や内装等の破壊を伴うことは、場所によって居住者の日常生活への負担にもなるためなるべくなら避けたいところです。
しかし、「蛇の道は蛇」というか
サーチしてみると斬新な調査方法もあることがわかりました。
それは、「電気抵抗試験による調査」です。
コンクリート構造物の雨漏り・漏水の多くは、コンクリートのひび割れやジャンカを通って漏水しています。
一方、乾いた健全なコンクリートは殆ど電気を通しませんが、コンクリートが湿っている場合やひび割れやジャンカ等を水が流れた場合は電気を通します。
そのため、電気抵抗値を読み取るとともに、そのデータから建物の各部材によって異なる導電率を勘案のうえ、漏水箇所と原因を判断できるというわけです。
ここで素朴な疑問が・・・。
漏水した直後でなければ電気を通さないので、結局原因となる箇所を特定できないのではないか?
しかし、それは特に支障にはならないようです。
むしろ、乾燥していた方が正確に調査できるとのことです。
コンクリートのひび割れ等の中を一度でも水が流れると、コンクリート中のアルカリ成分が溶けてひび割れに沿ってエフロレッセンス等の汚れが付着します。
この乾燥した(乾燥状態に近い)汚れの成分が電気を通すため電気抵抗値を持つことで判定が可能なのだそうです。
ただし、電気抵抗値はたとえ同じような構造体であっても数多くの動き方を示す性質があるので、調査にはそれなりの経験と熟練が必要とのことです。
こうした業者は首都圏でも何社かありますので、受注実績や見積もり金額等を確認のうえ調査を依頼する予定です。
その結果と効果が判明したら、本ブログでもご紹介したいと思います。
<参考記事>
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