マンション管理組合にありがちな「3つの失念」問題

今月から始めた「マンション管理適正化診断サービス」ですが、さっそく数件を受注することができ、現場を調査してきました。

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その結果、全14項目にわたる診断でも、管理組合の運営状況をかなり正確に把握できることが分かりました。

と同時に、管理組合が共通して陥りやすい課題も見えてきました。

 

まずは、重要文書の保管先の失念

総会の議案書や議事録(原本)でさえも、どこに保管しているかを即答できない理事長さんはちっとも珍しくありません。

共用設備の法定点検報告書の所在についても、まったく同じ。

管理会社にお任せしているので……という「われ関せず」タイプの管理組合がむしろ標準かもしれません。

そのため、任せられている管理会社が杜撰な対応をしているとヤバイことになっているケースもあります。

 

その代表的な例が、法定点検の実施忘れです。

たとえば、特殊建築物調査(3年毎の実施義務)や建築設備定期検査(年1回の実施義務)は、定期契約に含まれていないために失念することも少なくありません。

しかも、ただ調査さえすれば済むという話でもない。

調査の結果、設備不良などに伴う指摘事項があれば、都度補修工事などで対処しなくてはならないのに、それも放置されたままになっているケースもあります。

 

そして3つめは、長期修繕計画の見直し(更新)の失念

これって総会決議事項(※標準管理規約にもとづく場合)であることが意外と知られていません。

概ね5年ごとに計画期間をズラしながら見直していくものですが、分譲時にデベロッパーが作成・配布したもので、管理組合が主体的に作成したものではないのがその理由のひとつかもしれません。

しかも、新築から10年間は大きな修繕も発生することがないので、管理会社から提案がなされない限り一向に見直されないことになりがちです。

修繕積立金の設定額が妥当かを判断するためにも、定期的に見直して総会等で正式に承認を取ることが大切です。

◆重要文書の保管場所
◆法定点検の実施
◆長期修繕計画の更新

あなたのマンションは、これら3つの失念問題を抱えていませんか?


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村上 智史

村上 智史

株式会社マンション管理見直し本舗代表取締役・All About マンション管理士ガイド。早稲田大学卒業後、三井不動産に入社。土地オーナーとの共同事業、ビル賃貸事業、Jリート(不動産投資信託)の立ち上げに従事した後2013年3月退職。2013年5月 『あなたの資産を守る!マンション管理見直しの極意』(自由国民社刊)を上梓。無関心な住人の多いマンション管理組合が潜在的に抱えるリスクを解消し、長期にわたって資産価値を維持できるソリューションを提供することで、「豊かなマンションライフ」の実現を目指しています。

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