マンション管理費の長期滞納問題、知っておくべき解決方法と事前の対策
2024/07/05
都内にある顧問先のマンションでは、昨年居室内の天井から漏水が発生しました。
その後、原因を調査したところ、
当該住戸の上階の住戸内洗濯パンの排水口に詰まりが発生していたことが判明しました。
一方、雑排水管の清掃作業を先日実施したところ、洗濯パンの排水口の清掃ができなかった住戸がマンション全体の6割近くもありました。
そして、案の定と言うべきか、
冒頭で紹介した漏水の原因となった住戸も、長年洗濯パンの排水口を洗浄していなかったことが判明しました。
洗濯パンの排水口を洗浄できない理由は、
従来より大型の「ドラム式洗濯機」を設置する世帯が増えたため、洗濯機と排水口の間の隙間が狭くなり、高圧洗浄機のホースを挿入できないケースが増えているからです。
そのため、各世帯の対策としては、洗濯パンの排水口にホースを挿入するスペースを確保するため、洗濯機の下に「嵩上げ台」を設置するという方法がお勧めです。
<最近では、雑排水管洗浄業者の中にこうした「嵩上げ作業」も行うことを「売り文句」にしているところもあるようですが、結構手間がかかるのでレアケースと思います。>
ただ、とても多くの種類の製品が市場に出回っているので、事前にご自身の洗濯機のメーカーやサイズ、洗濯パンの状況等を確認のうえ検討するようにしてください。(下記記事参照)
なお、住戸内の排水口の詰まりが原因で他の住戸で漏水が発生し、汚損等の損害が発生した場合には、原因が専有部分のため、加害者である居住者が被害住戸に対して賠償責任を負うことになります。
その場合、管理組合が加入しているマンション保険に「個人賠償責任補償特約」が付保されていれば、管理組合に保険適用を申請することで金銭負担を免れることは可能です。
管理組合で加入していない場合には、個人で加入している損害保険で適用を申請することになります。
賢明な皆さんは、なるべくこうした保険のお世話にならずに済むよう、洗濯機の嵩上げ対策をしておきましょう。
ちなみに、本記事冒頭で紹介したマンションでは、管理会社協力のもと、漏水事故の発生という「分かりやすい教訓」を居住者に展開しつつ、嵩上げ台の設置キャンペーンを実施することになりました。
<参考記事>
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