マンション管理組合に管理会社のリプレイスを勧めたワケ
2025/02/10
近頃は、アベノミクスの影響のせいか、中古マンションの市況もかなり回復してきているようです。
その理由のひとつとして、中古マンションの質の上昇もあって、新築に固執しない層も増えてきていることが挙げられるのだとか…。
どんな物件を購入するかという条件は、もちろん人それぞれです。周辺環境、交通の便、採光の良し悪し、部屋内の設備仕様、共用部分の外観などは、現地を見学すればだいたい分かりますね。
でも、それだけでは十分とは言えません。
特に一般の仲介業者が苦手とする管理面から「見落としやすいポイント」をご紹介しましょう。
中古マンションの販売チラシでも見かけますが、一般の人には一体いくらが妥当なのか判断しかねる項目です。
特に築浅物件の場合、修繕積立金は管理費の金額に比べて半分以下の水準になっているケースがよくあります。
これは、本来であれば管理費と同じ位の水準でないと足らなくなるのですが、分譲業者が売りやすいように、新築段階ではかなり低い金額で設定しているからです。
しかし、この水準のままでは、将来の大規模修繕の際に足らなくなることが確実です。例えば築10年超にもかかわらず、その水準だとすれば、最終的には今の5倍以上にまで上がると覚悟した方がいいでしょう。
チラシを見ても、少し前までは駐車場は「空きなし」が普通だったのですが、最近は空き区画が目立つ物件が増えてきました。
あなたにマイカーがあるなら、それをラッキーと感じるでしょう。ただし、問題はその空き状況です。もし空きが全体の1割を超えているようなら、管理組合の収益が予定よりも少ないわけですから、将来管理費等が増額になる恐れがあります。
分譲マンションには必ず管理組合があり、年1回定期総会を開催することが義務付けられています。その最新の総会議案書を必ずチェックしてください。
その中に、過去1年間の財務諸表(事業収支と貸借対照表)の報告があるはずです。
その中の貸借対照表の「資産」の部に、管理費や修繕積立金の「未収金」がないかをチェックしておきましょう。これで滞納者の存在と金額の多寡を確認できます。
その金額が数万円ならともかく、数十万円レベルにまで達しているとすれば、管理会社が督促を怠っているなどの問題を抱えている可能性があります。
分譲マンションの場合、外壁の改修などの大規模修繕工事を概ね12~15年ごとに実施します。
あなたが目を付けたマンションが、過去必要な修繕を実施してきたか、実績を確認しておきましょう。と同時に、近い将来実施する予定があるのかも長期修繕計画書を入手するか、管理会社を通じてチェックしておきましょう。
たとえ今は修繕積立金が潤沢に見えても、必要な修繕がこれまで実施されていないとすれば、大きく財政状況が変わる可能性があります。
一度その物件を気に入ってしまうと、ネガティブチェックをしたくないのが人情というものですが、「一生の買い物」で後悔しないよう冷静な判断力も持ちたいですね。
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