またもや発見!アコギな電子ブレーカー業者

現在コンサル中の都内のマンションで電気料金の調査をしていたら、料金削減のために共用部に電子ブレーカーと蓄熱式暖房機をすでに導入済みであることが分かりました。

 

管理組合に伺ったところ、これについては電気料金削減状況の報告書があると聞いたので、すぐに「ピン」ときました。

 

これには、例によって「ピンハネ業者」が介在していることが予想できたからです。

 

<参考記事>

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

その業者から提出された報告書を読んでみたところ、「案の定」でした。

・・・・

【契約の概要】

■ 契約期間は「10年」

■ 業者へ支払う報酬の条件

システム利用料」と称して、1年目:料金削減額の100%、2年目以降は同40%を毎年支払う。

■ 中途解約の条件

残りの契約期間に対応する上記利用料の70%を違約金として支払う義務がある。

・・・

このマンションでは、年間23万円の料金削減効果が出ており、すでに5年目となっていました。

 

10年間で「システム利用料」を支払い続けると、管理組合は年間削減額の460%(=100%+40%×9年)を負担することになります。

 

このマンションの場合は、23万円 × 4.6倍= 106万円となるため、

一括購入の金額(65万円)よりも40万円以上搾取されてしまうわけです。

 

なお、このシステムの場合、

今後10年の期間満了を迎えると、再度設備更新に相当する費用を請求される仕組みになっており、このままだとマンションが存続する限り、この業者が労せず管理組合から搾取し続けられることになります。

 

では、この契約を途中で解約し、設備を新たに購入したらメリットがあるのか、検証してみましょう

 

電子ブレーカーと蓄熱式暖房機を購入した場合の投資効果を試算してみます。

■ 設備導入費用: 合計 65万円

■ コスト削減額: 23万円/年

■ 違約金 :残り5年間とした場合、32万円(=23 × 40% × 70% × 5年)

 

要するに、違約金を含む導入費用の「償却年数」を計算すると、

(65+32)万円 ÷ 23万円 = 4.2年

 

設備耐用年数(15年)を考慮すれば十分に元が取れることがわかったため、管理組合さんに購入プランへの変更を提案する予定です。

 

<参考記事>

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

yonaoshi-honpo.hatenablog.com


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村上 智史

村上 智史

株式会社マンション管理見直し本舗代表取締役・All About マンション管理士ガイド。早稲田大学卒業後、三井不動産に入社。土地オーナーとの共同事業、ビル賃貸事業、Jリート(不動産投資信託)の立ち上げに従事した後2013年3月退職。2013年5月 『あなたの資産を守る!マンション管理見直しの極意』(自由国民社刊)を上梓。無関心な住人の多いマンション管理組合が潜在的に抱えるリスクを解消し、長期にわたって資産価値を維持できるソリューションを提供することで、「豊かなマンションライフ」の実現を目指しています。

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