マンション管理費の長期滞納問題、知っておくべき解決方法と事前の対策
2024/07/05
すでに本ブログでも紹介していますが、マンション共用部を対象とする損害保険料が本年10月以降一斉に改定されます。
<参考記事>
しかしながら、各社が改定後の保険料を公表したのが7月17日と大変遅かったこともあり、こちらはまさにテンテコ舞いの状況です。
というのも、
マンション管理組合の場合、(保険料が割引きとなる)5年の契約を選択するのが一般的なため一時払いで5年分の保険料を納めていますが、顧問先の組合では来年に契約更改予定のケースでも「前倒し更改」の提案をしているからです。
つまり、新たな引受条件が有利と確認できた場合、更改の1年前に現契約を中途解約のうえ、新たに5年契約で巻き直すことをお勧めしているのです。
通常は、損害保険5社から相見積もりを取るため、それ自体にも準備に手間がかかるのですが、3年ほど前から「マンションドクター火災保険」という新たな商品が登場しています。(商品の特徴は下記の記事を参照ください)
管理組合にとってより有利な引受条件を得るためには「マンション管理適正化診断サービス」を受診する必要があるため、さらに時間がかかってしまいます。
<参考記事>
つまり、
管理適正化診断の実施 → 相見積もり条件の取得 → 理事会決議 → 臨時総会決議
というプロセスを経なくてはならないため、値上げ前(9月末まで)に総会も開催するとなるといきおいタイトなスケジュールになるわけです。
しかし、しっかり対策のできたマンションは、やはりそれだけのメリットが出たことを確認できています。
その実例の一部をご紹介しましょう。
【ケース1】 築19年の都内マンションの場合(22戸)
■ 現在の保険料(5年分): 48万円
■ 現保険会社で来年更改した場合の保険料: 120.4万円
■ 管理適正化診断の結果 : S評価(最高ランク)
■ 9月中に解約&新規契約した場合の保険料(5年分):48万円
来年の更改時に現保険会社でそのまま契約した場合には、現状に比べて保険料が2.5倍も負担が増えるところでした。
しかしながら、適正化診断の結果が良好だったことも奏功して、現状とほぼ同じ水準の保険料に抑えることができました。
【ケース2】 築21年の神奈川県内のマンションの場合(90戸)
■ 現在の保険料(5年分): 197 万円
■ 現保険会社で来年更改した場合の保険料: 430万円
■ 管理適正化診断の結果 : A評価
■ 9月中に解約&新規契約した場合の保険料(5年分):244 万円
来年の更改時に現保険会社でそのまま契約した場合には、現状に比べて保険料が2.3倍にも負担が増えるところでした。
しかしながら、適正化診断の結果も奏功し、現状の保険料から2割強の増額で抑えることができました。
ちなみに、どちらの事例も保険金など主要な補償条件は一切変更していません。
マンション保険にはあまり関心が向かない管理組合が多いと思いますが、
今は保険会社の選び方によって引受条件が大きく違ってくることがわかるでしょう。
また、マンション管理組合の場合、管理会社が保険代理店を兼ねるケースがもっぱらですが、中途解約までして組合の経済負担を抑制しようと提案してくれる会社はほとんどないようです。
やはり管理組合の役員さんが主体的に考えて行動することが大切だと言えます。
<参考記事>
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