利益相反の極み!「管理者管理方式」のマンションの実態とは?

先日、都内のマンションの区分所有者の方から、管理会社との契約についてご相談を受けました。

 

このマンションでは、区分所有者(組合員)による理事会が設置されておらず、区分所有法上の管理者には管理会社が就任しています

 

こうしたマンションは、「管理者管理」(もしくは第三者管理)方式と呼ばれています。

 

分譲マンションでは、区分所有者が管理組合を結成のうえ、組合の執行機関として理事会を設置し、その役員を区分所有者の中から選任するのが一般的です。

 

ただ、居住者の高齢化や住戸の賃貸化などによって理事長等のなり手がいない、あるいは役員業務をこなすには荷が重いなどの事情で、組合員以外の第三者が管理責任を担うことも可能です。

 

この「管理者管理」方式が採用されやすいのが、投資用マンションです。

 

投資用物件の場合、多くの区分所有者がそこに居住せず、資産運用のために賃貸に出すのが一般的なため、居住用マンションよりもさらに管理組合の運営に対する意欲・関心が乏しい傾向があります

 

ご相談を受けたマンションもまさにその類で、新築以来、分譲したデベロッパー系列の管理会社が管理組合の代表である管理者を務めています

 

つまり、管理業務に関する発注者と受注者が事実上同一人物というわけです。

 

この相談者は、他にもマンションを複数所有されていて、管理委託費の相場観についても知見をお持ちだったため、総会に出席した際に、この管理会社に対してコスト削減の検討を申し出たとのことです。

 

その結果、管理会社から以下の提案があったため、これに対して意見を求められました。

(1)エレベーター保守点検:非メーカー系の保守会社に変更して費用減

(2)定期清掃      : 年6回 → 年3回への頻度減

(3)自動扉保守     : 年2回 → ゼロ(点検中止)

 

上記のコスト削減案には、管理会社自身の「出血」を伴うものはほとんどありません

 

また、(1)はともかくとして、(2)や(3)については管理の質が低下し、居住者からクレームを受けるリスクもあります。

 

一方で、「事務管理費」など、管理会社の「粗利」に相当する項目についてはまったく減額する意向はない、とのことです。

 

さらに驚いたことには、

その管理会社は要員体制が不十分なためか、受託した業務のほとんどを別の大手管理会社に再委託していることがわかりました。

 

残念ながら、

このようなケースでは、「管理者管理」の体制を変えない限り、真のコスト適正化実現はきわめて難しいと言わざるを得ません

 

しかも、この体制を変更するには管理規約の改正が不可欠です。

それには、区分所有者全体の4分の3以上の賛成が必要(特別決議事項)となります。

 

管理規約の変更を議案に上程するには、管理者である管理会社に事前にそれを承認してもらうか、5分の1以上の区分所有者を集めて総会の招集を管理者に要求することが必要です。

 

結局のところ、無関心派が多数を占める管理組合では「堂々巡り」となってしまうため、こうした「改革」を実現するのは至難の業です

 

<参考記事>

 

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

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村上 智史

村上 智史

株式会社マンション管理見直し本舗代表取締役・All About マンション管理士ガイド。早稲田大学卒業後、三井不動産に入社。土地オーナーとの共同事業、ビル賃貸事業、Jリート(不動産投資信託)の立ち上げに従事した後2013年3月退職。2013年5月 『あなたの資産を守る!マンション管理見直しの極意』(自由国民社刊)を上梓。無関心な住人の多いマンション管理組合が潜在的に抱えるリスクを解消し、長期にわたって資産価値を維持できるソリューションを提供することで、「豊かなマンションライフ」の実現を目指しています。

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