共用施設の違いで「損するマンション」か「得するマンション」かが分かる!

ダイヤモンド・オンラインに、「マンションのムダな共用施設はこれだ!ジム・プール・温泉・噴水・キッズルーム……」という記事が掲載されています。

 

diamond.jp

以下はその要約です。

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■ マンションには、一戸建てにはないさまざまな「共用施設」がある。そうした共用施設は本当に必要なものというよりも、宣伝のための「客寄せパンダ」として利用されている面がある。

■専門家によると、最近の新築マンションは『羊羹の輪切り』のような平凡な住戸配置といわゆる『田の字型』の間取りは見直さずに、派手な共用施設で差別化を図ろうとしているとの指摘がある。

■ 一番使われなくなるのは「AVルーム」という。機材類や工事費で軽く1000万円を超えるが、管理員に利用状況を聞くと、「誰も一度も使っていない」という答えが少なくないという。

■ 「キッズルーム」も同様で、最初はそこそこ使われるが、子供の成長につれて3~4年もするとほとんど誰も遊ばなくなる。また、周囲の住戸から騒音のクレームが出たり、ケガや事故の防止対策として監督を置くのも面倒ということで閉鎖になることもある。

■ エントランスまわりの「噴水」や「滝」は、見かけは豪華だが水垢などがたまりやすく、定期的な清掃が必要になるうえ、水道代やポンプの電気代もかかる。また、幼児が水路でうつぶせに倒れると溺死してしまうリスクがある。

■ かつて流行した「温泉施設」は最近はまったく見かけなくなった。お湯を沸かすボイラーや循環ポンプなどのメンテナンス、清掃や冷暖房におそろしくコストがかかり、それでいて利用者は少ないからだ。

■ 大規模マンションで見かける「ショップ」や「コンシェルジュ・サービス」は通常、施設の維持管理費だけでなく、サービスを行うスタッフの人件費も管理組合が負担する。品揃えやサービスのメニューも中途半端であることが多く、わざわざ人件費を負担してまで営業すべきなものか問題になりがち。

■ 「フィットネスルーム」や「プール」、「ジャグジー」なども、維持管理費などのコストと居住者にとってのメリットが見合わないとなりがちだ。

■ マンションの共用施設で最低限必要なのは、集会室、ロビーの応接コーナー、災害用の備蓄倉庫くらい。

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この記事の内容に対してまったく異論はありません。

 

高級感を出すために新築マンションのチラシで使われる常套句が

ホテルライクな空間」です。

 

たしかに、ホテルや旅館なら、温泉やフィットネスルーム、コンシェルジュなどは必要な施設あるいはサービスかもしれません。

 

しかし、ホテルで過ごすのは、1年の中でせいぜい数日程度のことです。

 

一方、マンションは「日常生活そのもの」ですから、使用頻度とランニングコストを天秤にかけてみれば割に合わないのは当然でしょう。

 

こうしたムダな共用施設があることで、余計な工事費が増えるうえに有効率(延床面積に占める専有面積の割合)も下がるので、まずマンションの販売価格が割高になってしまいます。

 

それだけではありません。

入居後の負担として、これらの施設の維持管理費が管理費に上乗せされるうえ、将来必要となる修繕資金も標準的なマンションに比べて高額になります。

 

最大の悲劇は、こうしたコストがかかるにもかかわらず、残念ながら利用される機会が減ったり、ストップすることで居住者が十分なベネフィットを享受できないことでしょう。

 

というわけで、

まったくの私見ではありますが、共用施設やサービスで必要なものと不要なものを分類してみました。

 

【必要不可欠なアイテム】

■ 管理員室(組合資料の保管スペースとしても必要)

■ オートロック付き集合インターホン(TVモニター付きで来客者を視認できるもの)

■ 宅配ロッカー(共働きが当たり前の時代となり、一番の必須アイテム)

■トランクルーム(居住年数の経過とともに荷物は増える・・・)

■ 防災倉庫(災害発生時に必要な備品・道具類を保管しておきたい)

■ 集会室(ただし、近くに利用可能な自治会館等の施設があれば必須ではない)

 

【利便性・セキュリティ面で付加価値と認められ、ある方が望ましいアイテム】

■ ロビー・応接セット(ただし、ソファセット等は空調設備がないと使いにくい)

■ 24時間出せるゴミ置場

■ 共用部ハンズフリーのキーシステム

■ 駐車場のグリルシャッター

 

【コスパ的に不要と思うアイテム】※ 上記記事に取り上げられたものを除く

■ ゲストルーム(利用頻度が一部に偏ったり、利用方法等を巡ってトラブル事例多し)

■ ライブラリー(公共の図書館をぜひ利用しましょう)

■ 保育施設(子どもが成長したら、需要が消滅するリスク大)

■ 24時間有人警備(機械警備と重複しているケース多し)

■ 敷地内の広大な庭園(過剰な植栽・高木類の保守メンテでコストが嵩む・・)

■ ドッグラン施設(ペットを飼わない人には全く無意味)

■ プールバー・ラウンジ等(ゲストルームと同様)

■ 電気錠付き玄関ドア(設備の標準耐用年数が短く、更新費用が嵩みがち)

■ エスカレーター(某タワーマンションのアトリウム部分で設置されていた)

 

これからマンションの購入を検討される方は、チラシの美辞麗句に幻惑されないように注意してください。


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村上 智史

村上 智史

株式会社マンション管理見直し本舗代表取締役・All About マンション管理士ガイド。早稲田大学卒業後、三井不動産に入社。土地オーナーとの共同事業、ビル賃貸事業、Jリート(不動産投資信託)の立ち上げに従事した後2013年3月退職。2013年5月 『あなたの資産を守る!マンション管理見直しの極意』(自由国民社刊)を上梓。無関心な住人の多いマンション管理組合が潜在的に抱えるリスクを解消し、長期にわたって資産価値を維持できるソリューションを提供することで、「豊かなマンションライフ」の実現を目指しています。

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