マンション管理費の長期滞納問題、知っておくべき解決方法と事前の対策
2024/07/05
都内にある顧問先のマンションでは、最近管理費の滞納がジワジワ増えています。
ただ、問題なのはその件数や金額ではなく、「原因」にあります。
まだ築浅のワンルームマンション(47戸)ですが、4月末時点の滞納状況につき管理会社から以下のような報告がありました。
■ A 組合員(滞納期間6ヶ月): 現在、破産手続き中。
■ B 組合員(滞納期間3ヶ月): 現在、住戸の売却手続き中。
■ C 組合員(滞納期間2ヶ月): 現在、住戸の売却手続き中
■ D 組合員(滞納期間2ヶ月): 電話不通のため督促状を送付
<このほかに、1ヶ月分の滞納が2名あり>
全住戸の1割を超える滞納者がいるだけでなく、うち3名については明らかに資金繰りが苦しくなったためにマンションを手放さざるを得なくなったようです。
異次元の金融緩和政策でマンション市場も活況となり、新築の販売価格も90年代のバブル期と同程度まで膨れ上がっていますが、ここに来てさすがに契約率も好不況の判断基準である7割を切り、不況の兆しが現れつつあります。
ついに既存マンションにも、その「兆し」が現れ始めているのです。
私自身は鮮明に記憶していますが、
バブル経済の後始末はなかなか厄介なものです。
たとえば、投資用マンションの場合、必要資金のほとんどをローンで調達して購入していると思われます。
その後、資金繰りの都合でやむなく売却となった場合、その収入でローンを完済できる間はまだいいのです。
こうした事案が増えると、中古マンション市場が次第にだぶつき、不況とともに流通価格が下がり始めます。
その結果、フルローンで組んでいる物件については売却代金でローンを完済しきれないケースが発生します。(いわゆる「債務超過」の状態)
こうなると、今度は銀行などの金融機関の対応がとても厳しくなります。
(金利も徐々に上がるでしょうが、)自らの経営を守るためになるべく不良債権を抱えたくないので、そのうち「貸し渋り」や「貸し剝がし」といった行動に出るようになります。
このような「バランスシート不況」という副作用を惹き起こすことが、もっとも怖いのです。
バブル不況の再来にならないことを祈るばかりですが、各人が過去の経験を冷静に振り返って学びつつ、身の丈に合った対応をしていくしかありません。
<参考記事>
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