マンション管理組合に管理会社のリプレイスを勧めたワケ
2025/02/10
当社が顧問先の管理組合では、管理委託費や電気料金などの維持管理費を見直しながらコスト削減を確実に実現しています。
ただ、それをもって「めでたし、めでたし」ということにはなりません。
次に取り組むべき課題として、将来の資金不足が見込まれる修繕積立金会計の見直しが必ずと言ってよいほど必要になるからです。
顧問先の管理組合の中から、
目下修繕積立金の増額改定を検討している2件をご紹介しましょう。
(1)築21年目・90戸のマンションの場合
① 長期修繕計画で求められる積立金:@455円/m2・月
② 現在の修繕積立金残高 :@ 65円/m2・月
③ 現在の修繕積立金の徴収額 :@200円/m2・月
①と<②+③の合計額>を比べると、@190円不足していることがわかります。
このままだと、現状の積立金を2倍増にしなくてはならない状況です。
そこで、管理コストの削減から生じた剰余金を活用します。
このマンションでは、
管理委託費を中心に年間640万円のコスト削減を実現しています。
ここから生まれる剰余金を修繕積立金会計に振り替えるわけです。
この剰余金を修繕積立金の単価に換算すると、@78円になります。
したがって、この剰余金を加味すれば不足額は@112円に減らせます。
(2)築23年目・30戸のマンションの場合
① 長期修繕計画で求められる積立金:@317円/m2・月
② 現在の修繕積立金残高 :@ 52円/m2・月
③ 現在の修繕積立金の徴収額 :@124円/m2・月
①と<②+③の合計額>を比べると、@141円不足していることがわかります。
このままだと、現状の積立金を2倍以上に増額しなくてはならない状況です。
ここで、管理コストの削減から生じた剰余金を活用します。
このマンションでは、
管理委託費を中心に年間120万円のコスト削減を実現しています。
また、こちらの管理組合では、かねてより管理費会計から毎年80万円程度の剰余金が見込る状況であることがわかりました。
この剰余金の合計200万円を修繕積立金の単価に換算すると、@75円になります。
したがって、この剰余金を加味すると不足額は@66円に減らせることになります。
つまり、
どちらのマンションも、管理コストの削減効果から生まれる剰余金を活用することによって、修繕積立金の増額幅を大きく圧縮できる見通しが立ったわけです。
修繕積立金の「簿外債務」を減らすために、管理コストの適正化を通じた剰余金の創出が大変有効であることがお分かりいただけると思います。
<参考記事>
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