窓の断熱リフォーム、どんな方法がある?

前回のコラムは、内窓をつけるリフォームをしたら「寒さ」と「結露」の冬の二大悩みに効いたという話でした。今回はその続きで、窓の断熱リフォームって具体的にどんなことをするのか、お伝えしたいと思います。

窓の断熱リフォームには、以下の3つの方法があります。

(1)窓枠はそのままでガラスのみを断熱性の高いガラスに交換する
(2)既存窓はそのままで内側にもう一枚窓をつける
(3)サッシ(枠、ガラスとも)を交換する

最も簡単な方法「ガラス交換」

(1)は、既存の窓枠を利用してガラスのみを交換する簡単なリフォームで、比較的安価に、そして短時間で施工できます。ただし、既存の窓枠がアルミ製だった場合、せっかくガラスを断熱性の高いものに交換しても、全体的な断熱効果としては中途半端感が否めません。

結露で悩んでいる方は思い出してほしいのですが、結露ってガラスだけじゃなくて窓枠にもつきますよね。もともと金属のアルミは熱を伝えやすい素材です。ここからの熱の出入りも多く、結露も発生しやすいのです。

ただし、出窓など複雑な形状の窓の場合、(2)の内窓をつけられない時があります。そんな時は、このガラス交換リフォームで対応することもあります。一番上の写真は出窓のガラス交換を行ったものです。正面の引違窓、両脇のFIX窓のガラスのみを複層ガラスに変更しました。

手軽で効果バツグンの「内窓設置」

(2)の内窓をつける方法も、施工時間は短く、手軽にできるリフォームです。既存のサッシには手を付けず、内側に新しいサッシを追加します。新・旧2つのサッシの間に空気層ができ、断熱効果はもちろん遮音性も向上します。家の中にいて「あれ?」こんなに静かだったっけ…と思うと思いますよ。

また、経年で窓枠が歪んでしまい、そこからすきま風が入って寒いという古い家は案外多いのですが、そんな家にとっても内窓効果はバツグンです。新しいサッシですきま風をシャットアウトするので、よけい暖かさを実感できるでしょう。

一方で、内窓をつけてデメリットに感じることは、今まで一度ですんでいた窓の開閉動作を2回しなければならなくなることです。それが苦になるか、そうでないかも選ぶ時に気をつけたいことです。

例えば開け閉めをひんぱんにする窓には(1)のガラス交換または(3)の全て交換を、あまり開け閉めしない窓には(2)の内窓を採用するという考え方もありますね。そこは臨機応変に、生活習慣などを考慮しながら場所ごとに選択すればよいと思います。あともう一つ気になることは、部屋の内側にサッシがつくので部屋が少し狭くなることでしょうか。

イメージ一新「サッシの入れ替え」

(3)のサッシを全て交換するリフォームは、最も大がかりなリフォームです。既存窓にぴったりサイズの新しいサッシがあればよいのですが、なかなか難しく、窓サイズを合わせるために外壁の一部を取り壊すとなるととても大変なことです。しかし現在はカバー工法といって、既存の窓枠に新しい窓枠をかぶせることで、壁を壊すことなくサッシ交換ができる方法があります。

この方法のいいところは、窓の種類を変えられことです。例えばFIX窓を縦すべり窓やルーバー窓に変えれは、通風を取り込めるようになります。窓は外観の決め手になるため、イメージチェンジも兼ねてやってみても面白いかもれません。デメリットは、カバーをするため窓のガラス部分の面積がやや小さめになることです。

気になる商品価格ですが、おおまかに(1)のガラス交換に比べ(2)の内窓をつけるリフォームは1.5倍程度、(3)の窓交換は3倍程度かかるようです。

マンションの窓断熱化で気をつけたいこと

住まいの断熱性を高めると、寒い冬、暑い夏でも少ない光熱費で快適に過ごすことができるようになります。住まいの断熱性を向上させるためには「窓」の断熱化は必須です。さらに現在では断熱性だけでなく防犯性、遮音性などに優れる高性能サッシが登場しています。「窓」を変えることでいろいろな面で暮らしの質を向上させることができます。

しかし、マンションの場合は基本的にサッシ(窓枠、ガラス)は共用部分扱いとなるため、(2)の内窓リフォームをのぞき、個々の判断で勝手にリフォームできない部分となります。

管理組合がその責任と負担において、計画修繕としてマンション一棟まるごとリフォームをする事例も報告されていますので、もし現在のお住まいに不満がある場合は、住民のみなさんで話し合ってみてはいかがでしょうか。


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