いまだ健在!電子ブレーカーのコスト削減効果

電力の小売りが全面自由化されて、まもなく2年が経過しようとしていますが、電力会社を変更した世帯数はあまり増えていないようですね。

 

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電力自由化から1年経過した昨年の3月末時点では、電力会社をスイッチした世帯数は約343万件で全家庭の5.5%と報道されていました。

それが今年の1月末時点で643万件になったということは、ようやく全世帯の1割を超えたくらいといったところでしょうか。

スイッチングがこれほど盛り上がらないのは、現在より料金が1割も下がらないからでしょう。

 

一方で、マンションの共用部における電気料金の削減策として「電子ブレーカー」の導入はいまだに有効です。

(なぜ電子ブレーカーの導入によって電気料金が下がるのかしくみを知りたい方は下記の記事をご参照ください。)

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

現在コンサル進行中の管理組合でも、今月2件の導入が決まりました。

電子ブレーカーの導入に適したマンションの条件は、動力系設備が多いこと。(ただし、共用部を高圧で受電しているマンションはNG)

 

たとえば、エレベータ、機械式駐車場、自動ドア、シャッターなどが附設されているほど減額効果が大きくなります。

ただ、今回導入が決まったマンションはいずれも機械式駐車場はなく、現地調査前の段階ではそれほど効果が期待できないと思っていました。

しかし、現地を調査したところ、2棟とも「隠れた事実」が判明し、意外に削減効果が大きいことがわかったのです。

【1】 使用していないエアコンの存在

文京区にある投資用マンションでは、共用部のホールにエアコンが設置されていながら、これをほとんど稼働させていませんでした

そのため、今後もそのエアコンを使用しないなら契約電力を大きく下げられるため、電子ブレーカーの投資を4年半で回収できることがわかりました。

(逆にエアコンを使用する前提なら、回収に10年もかかってしまいます。)

 

【2】 撤去されていた立体駐車場

江東区のマンションではもともと小規模な立体駐車設備があったのですが、遊休化したため数年前にこれを埋め戻して平面駐車場に改装していました

ただ、立駐機の稼働に必要な容量で契約を継続していたため、契約電力には大きな下げ余地が潜んでいたわけです。

このマンションでは、電子ブレーカーの投資を3年半の短い期間で回収できることになりました。

 

電子ブレーカーの耐用年数は、約15年。実際には20年以上はもつでしょう。

しかも、JIS規格でメンテナンスフリーです。

1台あたり30万円程度で販売されていますが、電力料金の削減効果で5年以内にこれを回収できるなら導入することをお勧めします。

<参考記事>

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 

yonaoshi-honpo.hatenablog.com

 


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村上 智史

村上 智史

株式会社マンション管理見直し本舗代表取締役・All About マンション管理士ガイド。早稲田大学卒業後、三井不動産に入社。土地オーナーとの共同事業、ビル賃貸事業、Jリート(不動産投資信託)の立ち上げに従事した後2013年3月退職。2013年5月 『あなたの資産を守る!マンション管理見直しの極意』(自由国民社刊)を上梓。無関心な住人の多いマンション管理組合が潜在的に抱えるリスクを解消し、長期にわたって資産価値を維持できるソリューションを提供することで、「豊かなマンションライフ」の実現を目指しています。

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