マンション管理費の長期滞納問題、知っておくべき解決方法と事前の対策
2024/07/05
先日、築25年になる都内のタワーマンションの管理組合から、
「5年の満期を迎えるマンション保険を更新すると、保険料が大幅に上がりそうなので困っている」との相談を受けました。
そこで代理店に依頼して、保険各社の見積もりを取る手配をしたところ、その結果に驚きました。
まず、現在の引受先であるメガ損保を含めて、いわゆる大手4社の保険料が少なくとも3割アップ、最大では倍増!することがわかりました。
その主な原因は、築年数の経過によって自動的に保険料のテーブルが上がったことのほかに、この5年間で各社が大幅に保険料の改定を行ったためです。
保険料の負担が増えるだけでなく、築25年以降のマンションについては新規の引き受けをしない、という保険会社もあります。
これは、建物の老朽化とともに保険事故が増加するために、保険会社の採算に合いにくくなってくるからに他なりません。
しかし、たとえ築年数が同じであっても、建物の劣化状況や維持管理の品質は必ずしも同じというわけではありません。
その結果、保険会社の負担するリスクも物件の「質」によって変わってくるはずです。
長期修繕計画に則ってしっかりと計画修繕を施しているマンションと、修繕計画はいつの間にか風化してしまい、場当たりで修繕して資産価値を下げているマンションと一律に評価してしまうのはいかにも不合理というべきでしょう。
こうした問題意識から開発された商品が、昨年10月(保険受付開始ベース)から販売されている、日新火災海上保険の「マンションドクター火災保険」です。
同社のホームページによると、
◆高経年であっても適切な管理が行われているマンションにはより割安な保険料で商品を提供したいと考え、管理状況に応じて保険料が決定する仕組みを導入。
◆建築年ごとの保険料をベースとしつつ、「マンション管理適正化診断サービス」の診断結果に応じて、保険料の割引率を決定。
◆適切なメンテナンスを実施しているなど管理状況が良好な場合には、20%~30%程度の割引率を適用。
と記載されています。
<参考サイト>
「マンションドクター火災保険」2015年7月より新発売 |ニュースリリース|日新火災海上保険株式会社
なお、「マンション管理適正化診断サービス」は、同社が業務提携する一般社団法人日本マンション管理士会連合会に依頼のうえ診断を受けることが必要となります。(受診料は無料)
冒頭のタワーマンションでこの診断を受けたところ、保険代理店から提示された見積金額をみて、2度目のビックリです。
なんと、現状の保険料に比べて上がるどころか、23%も下がるのです!
ほぼ同じ補償条件のメガ損保と比べて4割以上も安い!!
この商品は、今後マンション総合保険の「台風の目」になる可能性大ですね。
また、高経年のマンションにとって注目すべき朗報であるだけでなく、
管理組合にとって管理の適正化と計画的な修繕を実施する大きなモチベーションにもなるのではないでしょうか。
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