不祥事続きのマンション管理会社はなぜ登録取消処分にならないのか?

2月16日付けの産経新聞によると、大阪ガスグループのマンション管理会社「大阪ガスコミュニティライフ」(現・IUCコミュニティライフ)の元社員3人が分譲マンションの管理費約840万円をだまし取ったとして逮捕されたそうです。

この社員らは共謀して、3回にわたり銀行に虚偽の払戻請求書などを提出し、マンションの管理費計約840万円を送金させて詐取したうえ、競艇などの遊興費に使ったものとみられています。

なお、この容疑者らの一人については、管理費を組合口座から無断で引き出す手口で8年間にわたって計約2億円を着服したとして、すでに昨年告訴されていました。

実は、この「大阪ガスコミュニティライフ」(昨年事業譲渡したため、現在は上記の通り社名を変更済み)という管理会社、かなり悪名高き管理業者なのです。

というのも、これまでの「前科」の数が半端じゃないからです。

<その1> 2010年の行政処分(指示処分)
元契約社員の管理員が2つの管理組合から財産金銭を着服。被害総頻は約1千万円

<その2> 2013年の行政処分(指示処分)
同社社員が、架空の修繕工事をでっち上げるなどして受託先の管理組合(計3件)の預金から計68百万円を着服。

<その3> 2014年4月の行政処分(業務停止90日間)
同社の社員と管理員が、複数の管理組合の財産を着服し、損害を与えた。
また、複数の管理組合において、保管口座の印鑑を保管していた。(法令違反)

<その4> 2015年4月の行政処分(業務停止45日間)
元管理員が管理組合の財産を着服し、8年間の長きにわたって2億円もの着服を行っていたことが発覚。
それとは別に、元管理員(60代)が、8年間にわたって組合の財産を3百万円着服していたことが発覚。

しかも、

<その3>の行政処分の後、同社はコンプライアンス(法令順守)研修や管理体制の見直し、監査の強化などを盛り込んだ業務改善措置をとることを自ら公表していたにもかかわらず、その5ヶ月後まで<その4>に関与した2人の社員の着服行為は見過ごされていたのです。

ところが、その後大きな転機が訪れます。

昨年(2015年)秋に、親会社の大阪ガスが伊藤忠商事グループの会社に全株式を譲渡したのです。

業務停止処分が続き、察するに社内的にはほぼ「内部統制不全」状態に陥っており、再度不祥事が発覚すれば「登録取消処分」という最悪の事態も予想される「体たらく」では、親会社もそれ以外に選択肢はなかったのでしょう。

というよりも、

なぜこれまで国交省が「伝家の宝刀」を抜かなかったのか、不可解なくらいです。

今回の逮捕事件は、昨年発覚した2億円着服事件の「余罪」が発覚しただけとも言えますが、果たして伊藤忠の決断が正しかったのかどうか、その経営手腕が問われるところです。


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村上 智史

村上 智史

株式会社マンション管理見直し本舗代表取締役・All About マンション管理士ガイド。早稲田大学卒業後、三井不動産に入社。土地オーナーとの共同事業、ビル賃貸事業、Jリート(不動産投資信託)の立ち上げに従事した後2013年3月退職。2013年5月 『あなたの資産を守る!マンション管理見直しの極意』(自由国民社刊)を上梓。無関心な住人の多いマンション管理組合が潜在的に抱えるリスクを解消し、長期にわたって資産価値を維持できるソリューションを提供することで、「豊かなマンションライフ」の実現を目指しています。

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