マンションの管理見直しに欠かせないキーパーソンの存在

マンション管理組合へのコンサルティングを始めて3年余り。

当然ですが、当初の目論見通りに見直しを実現できたマンションもあれば、残念ながら途中で頓挫したケースもあります。

これまでの経験を振り返ってみると、やはり管理組合のキーパーソンの存在が成否を決める部分が大きいと感じています。

 

たとえば、川崎市のマンションでお世話になっているYさん。

ご相談いただいた当時は理事長でしたが、その後当社がコンサルティングを開始する段階では、任期満了で退任となってしまう予定でした。

しかし、Yさんは2年目も理事として残ることをあえて選び、今度は副理事長の立場で組合内でリーダシップを発揮され、他の理事や専門委員との調整・根回しも入念に行っていただきました

一部過剰に設定されていた管理仕様の見直しについても、理事会だけでの判断で進めることは避け、事前に住民アンケートを実施するよう自ら企画し、あらかじめ全体の意見を把握したうえで慎重に合意形成を進められました。

その結果、従前と比べて33%ものコスト削減を実現することができました。住戸あたりの経済効果は、年間6万円にも及んでいます。

 

京都のマンションで、現在お世話になっているHさん。

数年前に中古で購入され、現在修繕委員を務めていらっしゃいますが、理事ではありません。

しかしながら、管理会社の修繕や保険の提案の内容に疑問を抱いたことをきっかけに、信頼できる専門家を自ら探そうとネットで検索したところ、当社へのご相談に至りました。

Hさんにお会いしてみると、たいへん誠実で包容力のある方ですが、多忙な中、理事さんとのスケジュール調整や根回しに尽力いただいています。そのため、遠距離での対応ながらこちらの調整手間もかからず、とても助かっています。

 

私たちコンサルタントは、そのマンションのオーナー(区分所有者)でも役員でもありませんから、立場的な問題でそれ以上は踏み込んでできないこと、言えないことが少なくありません。

 

わかりやすくいえば、外部の専門家として助言・提案あるいは事務的なサポートができるだけで、管理組合の意思決定自体は理事会にお任せするしかないのです。

 

分譲マンションは共有財産ですから、管理組合の意思決定を行うにはなるべく多くの組合員のコンセンサスが欠かせないのですが、中にはコンサルタントを起用することや、コンサルタントの提案通りに進める方針に対して抵抗感を持つ方もいらっしゃいます。

 

その際、理事会としていかに主体性を持って意思決定するか、またリーダーシップを発揮して一般の組合員に対する説得、あるいは意見の調整ができるかが成否を分けるポイントになると思います。

そして、このような機能を自主的に果たしてくださるキーパーソンの存在こそが管理組合に不可欠なのです。


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村上 智史

村上 智史

株式会社マンション管理見直し本舗代表取締役・All About マンション管理士ガイド。早稲田大学卒業後、三井不動産に入社。土地オーナーとの共同事業、ビル賃貸事業、Jリート(不動産投資信託)の立ち上げに従事した後2013年3月退職。2013年5月 『あなたの資産を守る!マンション管理見直しの極意』(自由国民社刊)を上梓。無関心な住人の多いマンション管理組合が潜在的に抱えるリスクを解消し、長期にわたって資産価値を維持できるソリューションを提供することで、「豊かなマンションライフ」の実現を目指しています。

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