マンション管理組合の活動は、「生活と資産防衛のため」と心得るべし!

「OCEANS」というサイトの「 不動産の噂の真相」コーナーで、「マンション管理組合の活動は面倒な割に成果が少ない、は本当か?」という記事が掲載されていました。

本記事の要約は、おおむね以下の通りです。

  • 「マンションの管理組合活動は大変なわりに成果が少ない」というウワサの真偽ついては、大変な場合もあればそうでない場合もあり、成果についてはパワーをかけた分だけ、プラスにはね返ってくることもある。
  • 重要なことは、その成果が住環境の改善にとどまらず、資産価値に表れる場合もあることだ。
  • 資産価値の維持率を左右するのは「管理の良し悪し」で、「違いを生み出す」管理ができるかどうかにかかっている。
  • 例えば、大規模マンションなどで地域を巻き込んでお祭りや季節のイベントを企画したり、共用スペースを地域のサークル活動などに貸し出し、管理組合の財務を改善してより手厚い管理に使ったりなどの事例もある。そうした積み重ねが地域の評判を生み、地元で人気化することにつながっていく。
  • そして、他のマンションと比べて優位性を生む独自の取り組みができるかという点で、理事会が意志をもつことが重要だ。
  • 理事会参加のベネフィットとして、イベントの企画や組織のマネジメントの経験を積めたうえ、世代を超えた人脈が広がったと話す理事もいる。管理組合の活動は、たしかに面倒な側面もあるが、関わり方次第で有意義な活動にすることもできる。

この記事が何を目的に書かれたかはよくわかりません。

筆者が言いたいことは、

マンションをいかに住みよくできるか、長きにわたって資産価値を維持できるかは、管理組合の理事会のマネジメントの良し悪しにかかっている」ということなのでしょう。

その結論に対して、異論はありません。

ただ、管理組合活動の「意義」をもっと可視化しない限り、結局は区分所有者のもともとの「民度」(=意識・関心の高さ)によって管理組合の運命はほぼ決まってしまうことになるように思えます。

私の意見としては、「私たちの生活水準や資産価値を守るため」という観点から、組合活動参加の重要性を説き、無関心状態から脱却する必要があると考えます。

管理組合の皆さんにとって必要なのは、たとえば以下のような問いかけではないでしょうか。

  • 毎月徴収されている管理費の中から管理組合が支払っている管理委託費をはじめとする経費の水準ははたして適正なのか?今より3割くらい削減できるとしたら、見直すべきではないのか?
  • 将来の大規模修繕に備えて集める修繕積立金は今の水準で足りるのか?新築時に比べて3~4倍増額しないと足らなくなるのではないか?その際は、増額を受け入れる覚悟と経済的余裕はあるのか?
  • マンション管理組合は億単位の財産管理も担う団体なのに、なぜ理事会役員は素人集団の輪番制で運用しているのか?会社組織との違いに違和感を感じないのか?
  • 管理会社は管理組合の利益になるような提案やサポートをしてくれているか?管理組合の運営を管理会社に「丸投げ」して機会損失を蒙っている可能性はないのか?
  • 設備の更新や大規模修繕工事の際には、相見積りを取得したり、専門家を起用して情報収集・コストの適正化の努力をしているか?

こうした質問にすべて自信をもって答えることができる管理組合は、当面は安心してもよいでしょう。

 

<参考記事>

 


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村上 智史

村上 智史

株式会社マンション管理見直し本舗代表取締役・All About マンション管理士ガイド。早稲田大学卒業後、三井不動産に入社。土地オーナーとの共同事業、ビル賃貸事業、Jリート(不動産投資信託)の立ち上げに従事した後2013年3月退職。2013年5月 『あなたの資産を守る!マンション管理見直しの極意』(自由国民社刊)を上梓。無関心な住人の多いマンション管理組合が潜在的に抱えるリスクを解消し、長期にわたって資産価値を維持できるソリューションを提供することで、「豊かなマンションライフ」の実現を目指しています。

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