マンション管理費の長期滞納問題、知っておくべき解決方法と事前の対策
2024/07/05
一戸建て住宅を購入したり土地を買って家を建てたりする人に比べて、マンションを買う人は都市計画にあまり関心がないケースも少なくありません。自分が主体となってマンションを建てるわけではなく「そこに用意されたもの」を買うため、詳しく勉強してもあまり役立たないという事情もあるでしょう。
しかし、都市計画がマンションの住み心地に影響する場合もあるため、最低限の内容は理解しておくことが大切です。そこで主な都市計画のあらましをまとめてみました。
ある程度の規模以上の都市の市街地では「用途地域」が定められています。マンションが多く立地する市街地なら用途地域の指定があると考えて差し支えないでしょう。用途地域には次の12種類があります。
□ 第1種低層住居専用地域
□ 第2種低層住居専用地域
□ 第1種中高層住居専用地域
□ 第2種中高層住居専用地域
□ 第1種住居地域
□ 第2種住居地域
□ 準住居地域
□ 近隣商業地域
□ 商業地域
□ 準工業地域
□ 工業地域
□ 工業専用地域
これらの用途地域によって、それぞれの地域で「建ててよいもの」「建ててはいけないもの」が規定されていますが、マンションを建てることができないのは「工業専用地域」だけです。
「第1種低層住居専用地域」は一戸建て住宅を中心にした低層住宅地で、マンションは3階建て程度にとどまります。その後、住居専用地域から商業地域へ向かうにつれてさまざまな用途の建物が混在するようになり、制限が緩やかな「商業地域」は高層マンションやタワーマンションの割合も多くなるでしょう。
「工業地域」のマンションは比較的大きな工場跡地の場合も多く、周囲の建物状況や平日における大型トラックの往来など周辺環境の様子もしっかりチェックすることが欠かせません。
用途地域との組み合わせで、それぞれの地域ごとに「建ぺい率」と「容積率」が指定されています。「建ぺい率」は敷地面積に対する建築面積の上限で、マンションの場合はほぼ「1階部分の面積」(いちばん広い階の面積)だと考えればよいでしょう。それに対して「容積率」は敷地面積に対する延床面積の上限となります。
「建ぺい率」は30%から80%の間で定められますが、これが30%なら1000平方メートルの敷地に300平方メートルまでしか建てられないことになります。しかし、この数値が小さいのは主に一戸建て住宅地であり、マンションが建てられる敷地は60%以上のことが大半です。商業地域などでは緩和措置により「制限なし」となる場合もあります。
「容積率」は50%から1300%の間で定められ、敷地による違いがかなり大きいといえるでしょう。ただし、500%を超える容積率が指定されるのは商業地域だけです。
また、マンションなどを建てる際には「総合設計制度」によって公開空地を設ける場合など、容積率を大幅に緩和する措置があります。タワーマンションは階数を高くする代わりに、建物の周りに広めの空地をとっている場合が多いでしょう。
建物の容積率は常に制限いっぱいまで使えるわけでなく、周囲の建物に対する最低限の日照を阻害しないよう配慮しなければなりません。そのために設けられているのが「道路斜線」「隣地斜線」「北側斜線」などの「斜線制限」です。
「斜線制限」の詳しい説明は省略しますが、マンションの上のほうの階が斜めにカットされている場合は、たいていこの「斜線制限」もしくは下記の「高度地区」によるものだと考えればよいでしょう。
「斜線制限」などにかかる部屋は室内の天井高が一部分だけ極端に低いなど、使い勝手に問題が生じる場合もあるので十分に注意しなければなりません。
なお、斜線制限と同じく周囲の日照を確保する目的で、自治体の条例により「日影規制」が定められている場合もあります。
上記の「斜線制限」が全国一律の規定なのに対して、地域の実情に応じて自治体の条例で定められるのが「高度地区」による制限です。その内容は「斜線制限」に似ている場合が多いものの、「斜線制限」より細かな規定がされていることも少なくありません。
また、自治体によっては40メートル、50メートル、60メートルなどの「絶対高さ制限」を設けてタワーマンションなどの建設を抑制している場合もあります。東京都では区によって制限内容は異なりますが、「絶対高さ制限」が導入されたのは2004年度であり、それ以前に建設されたマンションでは現行の制限を超えている場合もあります。
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