マンション管理組合に管理会社のリプレイスを勧めたワケ
2025/02/10
このところ首都圏を中心に新築マンションの発売戸数が減少傾向を強めるのと同時に、契約率も好不調の境目とされる70%を割り込むことが多くなっています。
不動産経済研究所のまとめによれば、首都圏における2016年度の発売戸数は1992年度以来の低水準となる36,450戸で、ピーク時の2000年度に比べて4割未満の水準に落ち込み、平均契約率も68.5%にとどまりました。
売れ行きが伸びない原因の一つは人件費上昇などを背景にした販売価格の高騰ですが、売れ残った部屋はどうなってしまうのでしょうか。
マスコミなどで報道される契約率は「初月契約率」(発売した月に売れた割合)であり、時間をかけて販売されるケースもありますから、3割近くの部屋が売れ残るわけではありません。しかし、ある程度まで販売が進んだところで、数戸の売れ残りが生じる新築マンションは少なからずあるようです。
即日完売する物件、少し時間をかけて完売する物件、売れ残る物件、それぞれの違いは価格設定だったり、商品企画だったり、営業方法だったり、立地条件だったりさまざまです。売主のデベロッパーの知名度やマンションのブランド名が売れ行きを左右することもあるでしょう。
それでは、売れ残った部屋がマンション全体のなかで条件が悪いものかといえば、必ずしもそうではありません。たしかに条件の劣る部屋が売れ残ることは多いものの、ときには「どうしてこの部屋が売れ残っているのだろう」と感じるようなケースもあります。
そのような部屋は当初、買主がいて売買契約を済ませたものの、住宅ローンの審査が通らなかったり転勤などの事情が重なったりして、契約が解除されたケースが少なくありません。
解約の時点ですでにモデルルームを閉鎖していたり、他の新規販売現場が始まって営業担当者を配置できなかったりすると、販売のタイミングを失ってしまうこともあるのです。ほんの数戸の売れ残り物件のために膨大な広告宣伝費を使うこともできず、もし新たな広告をしても消費者から「売れ残り物件かぁ」と見向きもされない場合もあるでしょう。
売れ残った部屋が「賃貸物件」として運用されるケースもありますが、たいていのマンションデベロッパーにとって、完成在庫をそのままずっと抱えていても何らメリットがないことは明白です。
そのため、売れ残り物件に数百万円の広告宣伝費をかけたり、買取専門業者にかなりの安値で卸したりするよりは、ある程度の値引きをして一般消費者に売ってしまったほうがよいという判断になることも十分に考えられるでしょう。
事前に値引き額が明示されることはほとんどありませんが、「条件が悪くないのに売れ残っている部屋」を探すと、意外な「掘り出し物」に出合えることもありそうです。
しかし、当初の買主によるローン解約などの他に売れ残った原因(配置や間取り、日照での問題など)が考えられる部屋では、値引きだけを重視するべきではなく、しっかりと見極めることも欠かせません。
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