マンション一括受電が、管理組合にとって魅力的な資産運用法であるワケ

いきなりですが、質問です。

もし下記に示すような投資案件を提示されたら、あなたは投資しますか?

【提示された投資案件の概要】

・投資額:3千万円(固定資産への投資)
・固定資産の耐用年数:30年
・投資のリターンとしての手取り収入:350万円
(ただし、毎年の収入は、上下15%の変動リスクあり。)

【あなたの今の資産・収入事情】

・現在の預金残高:3億円
・毎年の手取り収入:2千万円
(ただし、5年後に2億円程度の大きな支出の予定あり。)

諸条件や数値を多少簡略化はしていますが、これは「高圧一括受電」の導入を進めようとしている某マンション管理組合の検討内容と財政状況です。

つまり、

・固定資産  ⇨ 受変電設備(キュービクル)等の代金
・手取り収入 ⇨ 電気事業に伴う管理組合の利益から、設備保守費や電気料金の請求管理費を控除したもの

と読み換えてもらえばよいでしょう。

総会での決議を控えて、一般組合員の方を対象に上記の提案内容の詳細を事前に説明する会を開催したのですが、そこで以下のようなご意見をいただきました。

年間350万円の収入が増えるとしても、初期費用が3千万円かかるのだから、今の貯蓄水準に戻すまで10年近くかかる。あまり魅力がないのではないか?

さて、この投資案件は本当に「魅力的でない」のでしょうか?

仮に投資に伴う年収350万円が設備の耐用年数である30年間継続した場合、総収益は累計1億円を超えることになります。

初期投資費用の3千万円を差し引いても、7千万円は純資産として残る計算です。

ちなみに、

年間の投資利回り(内部収益率:IRR)で換算すると、およそ11%になります。

管理組合が資金を運用する場合、元本の保証もしくはそれに近い運用を行うのが普通です。

したがって、定期預金(ペイオフ対策上、各口座1千万円が上限)もしくは「すまいる債」(※元本保証はしていません)、あるいは積立型マンション保険くらいしか選択肢がないのが実情です。

しかしながら、たとえば10年物の「すまいる債」の利回りでさえ、年利では0.31%(10年満期時の想定)のパフォーマンスに過ぎません

しかも税引前の利回りですから、実際の手取りはさらに約2割引きとなりますから、一括受電との経済効果の差は明らかです。

また、この管理組合ではすでに3億円の預金があり、毎年2千万円もの余剰金がそれに加わる見通しがあります。

たかだか資産全体の1割程度を固定資産投資に振り向けたところで資金が将来ショートすることはまず考えられません。

まして、毎年2千万円もの剰余金が出るならば、もっと有利にお金を殖やす方法として一括受電を利用しない手はないと言えるでしょう。

最後に重要な確認事項とは、高圧一括受電を投資案件と見立てた場合に、「元本の保証」は確かなのか? ということでしょう。

これも、基本的には「限りなく100%に近いレベルで安全」と考えています。

管理組合が大口利用者となって電力会社と一括契約した場合、各個人が契約する電気料金よりもおしなべて3割ほど安くなります。

したがって、管理組合としては3割安い価格で仕入れた電気を各区分所有者に個人契約の料金体系にもとづいて請求する限り、損失を蒙ることはまずあり得ないわけです。(ただし、多数の空室があるなど使用量が異常に少ない部屋が多い、滞納者が異常に多い、などの特殊事情を除く。)

しかも、この電気事業の収益は、管理組合内の区分所有者を対象とする限り「非課税」の扱いとなっています。

これも実は隠れた大きなメリットでしょう。

いかがでしょうか?

100戸を超える規模の分譲マンションなら、ぜひ一度検討されることをお勧めします。


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村上 智史

村上 智史

株式会社マンション管理見直し本舗代表取締役・All About マンション管理士ガイド。早稲田大学卒業後、三井不動産に入社。土地オーナーとの共同事業、ビル賃貸事業、Jリート(不動産投資信託)の立ち上げに従事した後2013年3月退職。2013年5月 『あなたの資産を守る!マンション管理見直しの極意』(自由国民社刊)を上梓。無関心な住人の多いマンション管理組合が潜在的に抱えるリスクを解消し、長期にわたって資産価値を維持できるソリューションを提供することで、「豊かなマンションライフ」の実現を目指しています。

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