マンション管理組合に管理会社のリプレイスを勧めたワケ
2025/02/10
マンション管理組合が、火災や自然災害、漏水事故等のリスクに備えて加入するのがいわゆる「マンション総合保険」です。
多くの管理組合では、管理を委託している管理会社が保険代理店になるようですが、その管理会社から十分な商品説明を受ける機会がほとんどないのが実情です。
また、住人側も基本的にあまり関心がないうえに、「きっと他の自動車保険などと同じだろう」との思い込みから、この保険の性質をご存知ない方がほとんどではないでしょうか。
そんな管理組合の方々に、少なくとも知っておきたい4つの特徴をご紹介します。
戸建住宅が火災保険に加入する場合と違って、マンション管理組合の保険では万が一の際も支払われる保険金でマンションを再建することはできません。
なぜなら、補償の対象が共用部分だけだからです。
ご承知の通り、マンションには専有部分(各住戸内部)とそれ以外の共用部分(エントランス、エレベータや駐車場等の諸設備、廊下、階段など)があり、管理組合の管理対象範囲は共用部分が対象になります。
したがって、仮に専有部分から火災が発生した場合には、各区分所有者がそのための火災保険や家財保険に別途加入していない限り、部屋内の補償には一切保険は適用されないので注意が必要です。
他の損害保険等と違って、保険期間を5年にすると1年間の場合と比べて約15%保険料が下がります。
さらに、掛捨ての代わりに5年満期の積立保険を選択した場合には、預託した資金の運用金利相当分だけさらに保険料が割り引かれるので、普通預金に預けるよりお得です。
実は各保険会社の保険料は、マンションの築年数が5年増える毎に増額されます。
したがって、#2でご案内したように5年契約の方が1年より保険料が下がるのは確かですが、満期が到来した時点では1ランク保険料が上昇することになります。
たとえばマンションが築6年目の時点で5年の保険契約をスタートした場合には、満期時点で築10年を迎えるため、それ以降の保険料のステージが上がってしまうわけです。
このような場合、築9年目(保険契約の4年目)の時点で次の5年間の契約に切り替えてしまえば現状の保険料が6年目以降も継続できるので、しばらくの間コストアップを抑えることが可能です。
#3を読んで、「中途で解約した場合にはキャンセル料がかかるんじゃないの?」と思われたかもしれません。
でも、安心してください。中途で解約しても、未経過期間の保険料はほぼ満額返金されるため、それで損をすることはありません。
以上、マンション保険の特徴をご案内しました。
最後に、もう一つ。
実は今から20年近くも前に、保険商品はすでに自由化されています。なので、たとえ同じ補償内容の保険でも、保険料の負担や自己負担(免責)を含む保険金の支払われ方は各保険会社でかなり違いがあります。
ご自分のマンションに最適な保険を選択するためにも、管理会社に任せるのではなく、なるべく多くの保険会社の商品を取り扱っていてこの保険に精通したマンション管理士や保険代理店に相談してみることをお奨めします。
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