マンション管理費の長期滞納問題、知っておくべき解決方法と事前の対策
2024/07/05
大手デベロッパーのマンションだから安心…という風には最近は言えなくなってきております。例え大手デベロッパーのマンションでも品質問題により建て替え工事となっている物件もニュースなどで目にするからです。
マンションの建て替えに至るような大きな品質問題は稀としても、小さなトラブルは全国至る所で発生しております。私の書いているブログへのお問い合わせを通じてだけでも様々な内容があり、品質問題の数の多さと種類の豊富さを感じております。
そこで、最近ふと感じたことがございましたので今回お伝えいたします。
それは、「仕様のしっかりした大手デベロッパーのマンションでは、通常起こりえない現象も実際には起きている」ということであります。
つまり、大手デベロッパーのマンションは、過去のトラブル事例を踏まえて、年を追うたびに仕様が「よりクレームの少ないもの」へ常に変化をしているのですが、その大手デベロッパーのマンションでも「基本的なトラブル」が実際に起こっているのであります。
なぜなら、いくら大手デベロッパーと言えど、隅から隅までチェックすることは出来ずに、どうしてもゼネコンなどの施工会社に任せる部分が出て来るからであります。
具体的には、間仕切り壁のボードや、床の合板などを貼ってしまうと見えなくなる部分においては、性悪説的な考え方をすれば、隠す瞬間に立ち会っていなければ、実際に何が行われているのかは分かりません。
まあ、全ての瞬間に立ち会うのは現実的では無理ですけどね。
しかし、現実的な問題として「仕様があるにも関わらずに問題が発生する」という点において、問題が発生するタイミングは、まさにその「見えなくなる瞬間」であると感じるからです。
では、なぜ私が問題の発生するタイミングだと感じたかと言いますと…。
例えば、主に水廻り等の床を組む工事の場合は、一定のピッチで「束」を建てます。大手デベロッパーのマンションの仕様書には束と束の間隔は「〇〇cm以下」と決められているとします。
しかし、床下に配管などが密集している箇所では思うように「束」を建てることが出来ません。
そこで、床を組む作業員さんが担当の現場監督に
「ここ、配管が多すぎて束が立ちませんよ」
と質問した時に、何気なく
「まぁ、しょうがないか。1箇所ピッチが広くても床は壊れないだろう」
と安易に妥協をした結果、入居して数カ月後に「床鳴り」のクレームに発展することも実際にあるのです。
つまり、実際の工事を担当する職員が「仕様」を理解していない、若しくは理解していても「妥協」してしまうことで、何処のマンションでも品質問題というのは起こりえる可能性は非常に高いのです。
では、「仕様を全て理解させてから仕事をさせれば良いのでは?」とあなたは感じるでしょう。当然のことです。
しかし、実際に建築現場の現場監督という仕事の内容は、1年や2年で全て理解できる程の仕事では有りません。一通りの事が理解できるようになるまでに3〜5年、時にはそれ以上の年月が掛かるものです。
更には、ただでさえ人材不足の建設業で、何処の会社も派遣社員に頼らないと工事ができないような昨今の実情では一般的な仕様でさえ覚えることが多いのに、特別仕様も全て踏まえて仕事を出来る人は1つの現場の「半分もいればマシ」くらいのレベルかもしれません。
つまり、いくら仕様がしっかりしていたとしても、当の担当者が理解していない場合は基本的な品質問題が発生する恐れが有るということです。
更に、一定レベル以上の技術者を、一定数以上揃えて建物を建てることが人材不足により難しい。という建設業界の構造的な問題が原因の1つであります。
現在どの会社も、人材獲得のために新卒や中途採用を増やしておりますが、結果が実を結ぶのは少し先の話になるかもしれませんね。
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